忍者ブログ
~A lack of Magic Point~ エロゲーとか芝居とかについて書いていくブログ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

さて、里伽子ルートも今日で最後になりました!
思い出して泣いていただければと思います。笑


◯逃がさないようにして
駅前で里伽子を待ち続ける仁。二人の思い出を回想。

回想1 制服の話
里伽子が作ったプロトタイプの制服。試着した里伽子を見て仁が声を失ってるのは、里伽子がとっても可愛かったからってことで良いのかしら?

里伽子「思ったよりスカート短いな…このくらい上げると見えちゃう?」
パンツ見せてしまう里伽子は明日香に負けないアタッカーの才能があったと思うんだよね。明日香と違って外堀から埋めてって徐々に城を絞め上げるようなタイプだけど。


回想2 ブレスレットの話
仕事中もブレスレットを外そうとしない里伽子。仁から仕事中くらいは外せと言われても、意地になって外さない里伽子。

里伽子「や」
仁「チーフのお前がそんなんじゃ、みんなに示しつかないだろが…」
里伽子「やなものは、や」



珍しい里伽子のわがまま。仁のプレセントが嬉しくて、片時も肌身離さず付けていた、という仁の“勘違い”は全くの大当たりなんだろうけど。


回想3 送っていった時の話
出会って二年。初めて仁が里伽子を送った日。

里伽子「そうか…ボーダーは0時だったわけか」
仁「それを認識したからどうだってんだ?」
里伽子「さあ?」
0時を過ぎれば送ってもらえる。これは良いことを聞いた、という感じでしょうか。

里伽子「だってさぁ、部屋まで送ってくれたら、どうしても『お茶でもどう?』って話になるでしょ?」
仁「俺が断ればいいんだろ?いや、そもそもお前が言い出さなきゃいい」
里伽子「あたしが言わない訳ないじゃない。で、仁が断り切れるとも思えない」
仁「う…」
里伽子「それで終電逃したらどうするの?泊めてって言われたら、あたし断れないよ?」

これは「仁にそのつもりがあるなら来い!」ってことだよな。誘ってんだろ。てか「あたしが言わない訳ないじゃない」って何なんだ。「あたしは仁のこと好きだから、当然引き止めるけど」ってそういうことか?そういうことなのか?末永く爆発しろ。

仁「………わかった、帰る」
里伽子「それが賢明」
仁「じゃ、な」
里伽子「うん」
仁「………」
里伽子「………」
仁「………」
里伽子「…行かないの?」
仁「いや、その…」

「行かないの?」に期待がこもってるというか、甘さがあるのが良いなぁ。



キスして「ごめん」って言われて「何が?」と機嫌の良い里伽子。もう、お前って女はなんなんだw



回想4 振られた日の話。
里伽子「ごめん…考えたこともなかった」
仁「な…?」
里伽子「あたし…仁の恋人、って、ガラじゃない」

嘘だ!!!
里伽子さんは嘘をついてる!!

「けど…恋人としては…やだ。」
これは、恋人になるなら一番じゃなきゃ嫌だ。だよね。それを言えないのが里伽子なんだろうなぁ。


0時を過ぎ、終電も行ってしまった。
仁「これが消えたら…帰るか」
里伽子「ここのライトって、夜が明けるまで消えないよ?」
実は既に来ていた里伽子。待ち続ける仁をずっと見ていた。

「あたしってそんな風に見えるのかなぁ?」
「あんたのこと、ベタ惚れだって。口じゃつきあえないとか言ってて、本当は大好きなんだって」
これは里伽子の自白。

「仁は、あたしのこと、本当は好きじゃないのよ」
「あたしが役に立ってるから好きだと勘違いしてるだけ」
「あたしがあんたを構えなくなったら…役立たずになったら、きっといらなくなる」
「何さ、このシスコン。本当は、面倒見てくれる女なら、誰でもいいんでしょ?」
これは、里伽子から仁への叱責。本当に好きなら、どうして自分はいつも二番目なのか。どうしてもっと大事にしてくれないのか。

「もう二度と、あんな痛い思いはしたくない…」
お互いが傷つくことを予見して、恐れて、それでも里伽子は仁に愛されることの魅力に揺れる。仁に言われるまま隣に座って、仁が自分で焼いたケーキを食べ始める。仁に食べさせてもらいながら。

仁「んまいか?」
里伽子「…仁の味がする」



里伽子にキスする仁。半年ぶり二度目。ここのCGで表情を描かないのは、僕は結構好きな演出です。複雑だろう里伽子の表情を想像できるから。

仁「里伽子の味がする」
里伽子「ば…ばっ………かぁ」
仁「んまいな」
くっ、この、仁め、恥ずかしい奴め。

仁「嫌だった?」
里伽子「…あまり嫌じゃないのが嫌だった」

再度のキス。数秒ぶり三度目。

仁「…嫌だった?」
里伽子「しつこいな仁は。何度も同じ事聞かないの。」
そして泣く里伽子。泣くなあああ。こっちも泣けてくる。

仁「里伽子…やっぱり俺…」
里伽子「ああ、いい。その先は別にいいから」
仁「里伽子のことが、好きだ」
里伽子「いいって言ってんじゃない!」

里伽子「あたしはね…あたしはぁ、好きだとか、愛してるだとかいう言葉は、もう、信用しないことにしてるの」
仁「愛してる、里伽子…」
里伽子「人の話を聞いてよぉ」

「嘘だっ!仁は嘘つきだっ!」
里伽子が負った傷の重さを感じさせるとともに、傷つきながらも仁が好きで拒絶しきれない苦しみを感じさせる言葉。

五ヶ月遅れの誕生日プレゼント。恵麻と一緒に、ではなく正真正銘里伽子のためのプレゼント。これは、里伽子にとってはクリティカルヒットで。

仁「もう一度、俺のあげたもの、身につけてくれよ。デザインが気に入らなかったら、別のあげるから、さ」
里伽子「馬鹿…馬鹿ぁ…」


涙ながらに右腕を差し出し、ブレスレットをつけさせる里伽子。

仁「これが、答えだって、そう、思って、いいんだよな?」
里伽子「………」
仁「これって、恋人への贈り物だぞ?お前、それを受け取ったんだぞ?」

はい、来ました!!「だってこれって恋人への贈り物だよ?」ってセリフ、仁は聞いてたのです。あぁぁぁぁぁ、仁の癖に!仁の癖に!仁の癖に!それでブレスレット贈って恋人として受け取らせたのか。くそおおおお、仁の癖に!

「もう、しょうがないなぁ、仁は」で落ちる里伽子。



里伽子を部屋に連れ込んだ仁。「残りのケーキ食う?」なんて言ってたら里伽子が部屋の明かりを消す。終電逃して部屋で二人きりって状況は、半年前までの里伽子がずっと用意していた状況で、それはもう、行動も積極的になりますよね。

「なに、落ち着いたふりしてるのよ?」
「すぐ、したいくせに」
「もう、こんな時間なのよ?明日、仕事あるんでしょ?」
「そんなに、のんびりしてたら、抱く時間なんてないよ?すぐに出勤時間になるよ?」
下心を看破して、それでいて発破をかける里伽子。しかし、促し方に色気がないのがまた里伽子らしいというか、何というか。。。

仁「けど里伽子…お前、体、冷たくなってないか?」
里伽子「だから…温めあうんでしょう?」

逃がさないようにして、といって手を縛らせる里伽子。
これは左手が動かないことを知られないためだというのが半分と、もう半分は間違い―里伽子の主観では―を犯す覚悟の表れなんじゃないかなぁ、と思ったり。

仁「最初っから、こんなことすんのか?」
里伽子「誰がはじめてって言ったのよ?」
仁「そ、そういう意味じゃなくて…って、そうなの?」
里伽子「まぁ、はじめてだけど。」

ちょっと照れる里伽子。多分、この子は高校時代は部活と勉強で忙しいから恋愛なんかやってる場合じゃない、みたいなタイプだったんだろうなぁ。で、大学入って都会出てきたらダメ男に引っ掛かってしまった・・・と。苦笑



あんなに拒絶していた里伽子が、物凄く積極的に仁を受け入れる。激しくキスをして、自分からベッドに倒れこんで、仁の慣れない愛撫にいちいち感極まる。一体何が里伽子をそうさせているのか分からない仁。

仁「覚悟…できたか?」
里伽子「覚悟を決めるのは…仁の、方だよ」
仁「俺は…ずっとこの日を夢見てた」
里伽子「あんたが…あたしに勝てるわけがない」

里伽子を深く深く愛しているはずの仁なのに、里伽子の思いの大きさに追いつかない気持ちにさせられる。里伽子の「あんたなんか」「仁の馬鹿」が切ない。




◯三日間の別れ
仁が差し出した缶コーヒーを不機嫌な顔で拒む里伽子。
里伽子「缶コーヒーなんて飲まない。ファミーユのブレンドしか飲まない」
ファミーユのブレンドってのは勿論、若い店長さんが淹れてくれるブレンドのことだからな。不機嫌に甘える里伽子。

年末年始、帰省するのは12月中頃には決まっていたイベントなのですが、里伽子は気に入らないらしい。で、出発までずっと拗ねている里伽子。

里伽子「年末年始、仁と過ごせるって思ったから」
仁「うっ」
里伽子「一緒におそば食べて、一緒に除夜の鐘聞いて、そのまま、一緒に初日の出をテレビで見て…」
里伽子の願望は地に足が着いてるな。華がないと言うか、何と言うか。いや、らしいと言えばらしいけど。

里伽子「でも仁は…そういうこと、恵麻さんとするんだ」
仁「…なんで姉さんが出てくる?」

仁は「里伽子とではなく恵麻と」なんて意識はないのだが、里伽子にとってはこの辺は重要で。でもまぁ、こういうことが言えるようになったのは一歩前進なのかも知れないような、うーん、微妙。

仁「どうしたんだお前?ホントに、里伽子らしくないぞ?」
里伽子「そう見えるんなら、きっとそれは、酷い仕打ちをする男のせいかと」
仁「………」
里伽子「つきあい始めて一週間で、手の届かないところに行ってしまう男のせいかと」

「里伽子らしくない」だなんて仁は言っちゃうけど、ダメだってばそういうこと言ってちゃ。何か普段と違うと思った時に「らしくない」と思うのか「今まで見せていなかった一面が」と思うのか、この二者には大きな差がある。

里伽子「たった一回、寝ただけで…いい気になってんじゃ、ないわよぉ」
たった一回寝た後の餌の与え方が不十分な男をなじる里伽子。勿論用法は誤りです。このネタ、マジ恋の姫緒ルートでも使われてたな。

仁「里伽子のワガママなんて、どうせ年に一度くらいだろ?その頻度だったら、何でも聞くよ」
里伽子の気持ちは理解出来ないけれど、理解出来ないままでも受け容れる仁。里伽子がわがままを言うだなんて貴重なことだし、里伽子が自分を求めて駄々をこねるのは嬉しいことだし。

年末年始をずっと仁と過ごす、ということに照れと喜びを隠せない里伽子。しかし、急に翻意して仁を帰省させる。

ずっと一緒に過ごして、どうやって左手のことを隠し通すのか、という現実問題を自覚したようだ。恵麻よりも劣位に置かれることへの強い恐怖感を里伽子は持っているわけで、それが表出したのが今回の件。
恵麻より誰より仁の傍にいて、常に自分が愛されていることを感じたいと思う一方で、左手のことを絶対に仁に知られてはならないという制約があるから、仁の距離を詰めることにも限界がある。もっと近くにという思いと、近づけないという思いで、里伽子は常に引き裂かれる。


しかし、あの里伽子があっという間に半ばメンヘラ化してしまうのか。丸戸すげえな。



◯一月二日の再会
つつがなく過ぎた年末年始。45時間ぶりの再会を果たした時、里伽子は火傷したという左手に包帯を巻いていた。
いつか来てしまう破綻を先延ばしにしたくて、仁に愛される幸せを続けたくて、嘘をつく。

仁の言葉で妙に喜んだり、凹んだり、明らかに不安定な里伽子は仁への依存を深める。てか、仁が「こいつ不安定だな」って思うレベルなんだから余程だよな。大丈夫か、里伽子。

里伽子「いあぁ…あ、あ…あんた、上手くなってない?」
仁「そうかなぁ…そう思ってくれるんなら、嬉しいけど」
里伽子「練習…したりしてないでしょうねぇ?」
仁「どこでよ…」

里伽子落ち着け。




◯片手の世話女房
玲愛「っ!暗くなんかないわ!調子に乗ったこと言うな」
野菜持ってやってくるお隣の花鳥さん。押しかけ女房との対面はどんな感じだったのか。仁と遭遇した玲愛が暗かったのは仁に女がいるのを知ったから、でしょうか?

右手だけで料理をする里伽子。確かに皮剥きをどうやっているのかは気になるところである。固定できれば片手でピーラーを使えば良いんだけど。

仁「お前、俺の前で眼鏡かけるの、平気になったんだな」
眼鏡を外し忘れて大慌ての里伽子。仁が言う通り、ちょっとラブリーである。里伽子は仁に眼鏡姿を見せようとしないのだが、その原因は去年眼鏡屋で仁が里伽子を笑ったからみたいなんだけど、ここだけ回想シーンがないんだよなぁ。あっても良かったのに。

上手く食べられなくて、仁に食べさせてもらう里伽子。甘い…甘いよ。
里伽子が箸を上手く使えないのは眼鏡を外したからって理由と共に、利き手が右じゃないからってのもある。それを気付かせない里伽子が凄いのか、気付かない仁が鈍いのか。話として上手いのは、里伽子が左利きであることを仁がずっと忘れていたという点で、そうするとプレイヤーは右手で食事する里伽子に違和感を抱きようがない。

そして、ようやく念願のじゃがいもを手に入れた。
→ロマンシングサ・ガ?念願のアイスソード?

「あーん」状態に照れ始めた里伽子に食べさせるべく、仁は二人羽織(?)の姿勢に。里伽子を甘やかせて嬉しい。甘いぞ、甘いぞ。密着したせいでついつい反応するも、それすら嬉しそうな里伽子はちょっと末期。



「もうっ…しょうがないなぁ…仁、はぁ…」
仁は玲愛に声が聞こえてしまわないかと心配するが、玲愛は既にお隣の不穏な動きを予期して瑞奈宅に避難している。ここの会話は秀逸。

瑞奈「…で、なんであんたがウチでごはん食べてるの?」
玲愛「…何言ってるのよ。ついでに泊まってくからに決まってるじゃない」
瑞奈「会話つながってない…」
ちょっとあだち充っぽいやり取りだよね。




◯家族にしかわからないこと
今までは公私混同は、という態度だった里伽子も最近は毎日厨房に通される。あの里伽子さんがねぇ…。年明けから二週間。まだ包帯は取れない。

珍しく、かすりに仕事を任せる恵麻。それを怪しんだ仁が恵麻の隠していた負傷にすぐ気付く。見てるねぇ、恵麻のこと。“家族”ですもんね。
左手を隠し通せていることは良いことなのだけれど、あまりに残酷な形で恵麻と自分との差を見せつけられた里伽子。

わざわざやってきた里伽子を放っておいて、恵麻を連れて病院に行ってしまう仁。明日香やかすりは非難の眼差しを向けるも、仁はそれに気付かない。うーん…。

かすり「せっかく来てくれた恋人ほっぽっといて、お姉さんと一緒に帰っちゃうんだもんねぇ」
里伽子「それは…別に。恵麻さん、怪我したんだし」
明日香「里伽子さんだって、ずっと火傷したままじゃん」
里伽子「そ、それは…ちゃんと心配してくれた」
かすり「あんな風に見境なく?」

かすりと明日香は里伽子を慰めてるつもりなんだけど、現実を突きつけてもいるわけで。里伽子は気丈に振舞おうとしているけれど、結構傷つくよね。

里伽子「なんで…恵麻さんの時は気づくのよぉ…」
さて、里伽子が仁に気付いて欲しいこととは?いや、気付いて欲しいのか、欲しくないのかは難しいけれど。




◯家族だからできること
負傷した恵麻の世話を焼く仁。里伽子にはどうやって食べさせたのかと尋問され、同じことをやらされる羽目に。またやったのか、二人羽織。

恵麻「本当にリカちゃんにこんなことしたのぉ!?こ、こんなの…やりすぎよぉ」
仁「そ、そうかなぁ…」
恵麻「なんて…うらやましい…」
こら、本音が漏れてるぞ。

恵麻「やっぱり、仁くんには、リカちゃんがお似合いだよ。誰も…入り込めないくらいに」
んー、恵麻は恵麻で里伽子に対するコンプレックスがあるんだよね。里伽子みたいに仁を支えて、助けて、ってことは恵麻には出来ない訳だから。恵麻は仁を手に入れた里伽子を羨ましく思う一方で、仁の幸せを願っているわけで、あまり自分にばかりかまけていてはいけないと言うのだけれど、仁にそれは通じない。

仁「里伽子なら、わかってくれるって。どんだけの付き合いだと思ってるんだよ」
恵麻「…大した時間じゃないわよ」

仁が無条件に里伽子に甘えることを、危うく思って気遣う一方で反発する気持ちも隠せない。時間で言ったら、恵麻は一番だからね。しかし、仁は大丈夫なのかなぁ。恋人を信用することと、それに甘えるってことは、全く別個のことなんだが。

恵麻「リカちゃんが仁くんをふったのって…多分、姉ちゃんのせいよ」
なるほど、仁が里伽子に振られた理由を理解しているのか。多分、12月の重要イベント「波紋」で遣り合った辺りで気付いたのかな。

恵麻「繰り返しちゃ、ダメよ。もう、姉ちゃんのことは放っておきなさい。リカちゃんのことだけ考えるの」
ここの恵麻は多分、他のどんなシーンよりも「お姉ちゃん」なんだけど、ある種の自己犠牲的忠告は仁に届かない。んー。




◯じゃあ、家族でなければ?
タイトルが徐々に二人の元へ訪れる危機を示唆するようで恐ろしい。

二人羽織の食事はどうやら定番になっているらしい。
“ここ数日で、里伽子の感情の機微、かなりわかるようになってきた。そうやって考えると、俺って今まで、付き合いの長さの割に、里伽子のこと、よくわかってなかったのかも。”
分かってる、と思い込むことほど危ないこともない。前のイベントの恵麻のセリフと合わせて考えると何とも示唆的だ。

食事が終わって入浴。包帯を外してやると言い出す仁に狼狽える里伽子。実は仁、由飛からの情報で、既に里伽子の左手の火傷が治っていることを知っている。

“そういえばこいつ、左利きだった。”
包帯を取ってやろうとした時の一文。あまりにさらりと書かれていて、初回プレイ時には何も気付かなかった。勿論、仁も事の重大さに全く気付いていない。

包帯を外し、火傷がないことを確かめ、少し里伽子をからかって。でも、里伽子の反応はおかしい。驚きながらも、丸めた包帯を里伽子に返す。左手に載せた包帯は何度やってもポトリと落ちる。真っ青になる里伽子。

つねっても痛みを感じない里伽子の左手。利き手は左なのに、ずっと里伽子は右手を使って食事をしていたということに仁はやっと気付く。

仁「お前…左手…動かない、のか…?」

ついに里伽子の左手の秘密に触れてしまった仁。ほつれた糸を戯れに引っ張ったら全てが台無しになってしまうような、そんな激震。里伽子は部屋を飛び出した。靴も履かずに。知ってしまった事実が衝撃的すぎて、仁はすぐに追い掛けることも出来ない。

Trueエンドだと、ここを見るのは二回目になるんですけど、その時は「あぁ、これはサボテンの花だ」と思いました。
>ほんの小さな出来事に愛は傷ついて。君は部屋を飛び出した。真冬の空の下に。
>絶え間なく降り注ぐこの雪のように君を愛すれば良かった。
ってやつで。

駅まで追いかけて、やっと里伽子を捕まえた仁。自分が聞こうとしている事実がきっと恐ろしいものであることを予想しつつも、それでも聞こうとする。いつから動かなくなったのか。どうして言ってくれなかったのか。

里伽子「………言えないんだよぉ」
仁「言えない理由は…?」
里伽子「全部終わっちゃうから!あたしと仁の関係、なくなっちゃうからだよ!」

ついに感情を露わにした里伽子。仁は自分が何かしてしまったのだという予感を持っている。里伽子はそれを自覚させ、背負わせることを避けようとしているけれど、もうここまで来てしまったら聞くしか道はない。

“パンドラの箱”という比喩がここでは使われている。触れてはいけないものという意味で一般的に使われる比喩だけど、里伽子の手についての重大な伏線だったの第2クォーターエピローグで引用された「鶴の恩返し」も同様に、触れてはいけないものに触れる話なので、ライターはその辺を考えて配置してるのかも知れない。

箱を開けた時にはあらゆる厄災が飛び出し、最後に「エルピス」が残るというのがパンドラの箱の話。エルピスは一般的に希望と訳される訳で、さてさて里伽子と仁の間にも希望は残ってくれるのか。という、訳でここから里伽子ルートの解答編(?)。

里伽子の回想。仁と初めてキスした時の話。
ベランダで一人呟く里伽子。
「ここまで来るのに2年かぁ。遅すぎ、ば~か」
「断らないって言ってんのに、どうして泊まってかないの?この…弱虫ぃ」

仁「いつから…」
里伽子「少なくとも、あんたより前」
仁「んな馬鹿な…俺は、2年になった頃には、もう…」
里伽子「だからぁ、あんたより前って言ってるじゃん」

結局これっていつなんですかね?やっぱ初めて会った時ですかね?そうだよなぁ、里伽子は好きでもない男を、潰れているとは言っても家に上げないだろうからなぁ。

里伽子「あんたが笑うと、すごく満たされた。あんたに頼られると、何でもできる気がした。あんたに触れられると…とても、気持よかった」
愛の深さを感じる。

里伽子の回想2。火事の日の話。
燃えるファミーユの中で三つの位牌を助け出し、それで大怪我を負った里伽子。

里伽子「ね?情に流されると、ロクなことにならない…でしょ?」
考えてみれば、こんなセリフを言う人間が薄情なはずはないのだ。情が深いから、辛い思いをして、こういうことを言うようになるのだ。

位牌は「ついで」だった、という里伽子。ポケットから取り出される焼け焦げたブレスレット。頑として外さなかったのを、仁が説得してやっと外させたものだった。辛い思い出の品のはずなのに、里伽子はずっとこれ持ってたのか…。ダメ恋でも麻美は婚約指輪と結婚指輪を肌身離さず持ってたなぁ、そういえば。

仁「なんで、こんなもん取りに戻った…?」
里伽子「欲しかったから」
仁「なんで…父さんたちまで、救おうって思った…?」
里伽子「知らなかった?あたし、すっごいバカなんだよ?」
仁「本気で…バカだ」
里伽子「うん、だからさ…あんな包帯一つで、いつまでも誤魔化せるって、信じ込んでたんだ」

里伽子はこうして破綻することが予見できていたけれど、それでも、仁に愛されて過ごすことの喜びが先に立ってしまって、嘘を重ねて、ごまかして、ごまかして。

「なんで俺に、頼ってくれないんだ?俺に、責任を負わせようとしない?」
「なんで…なんですぐに相談してくれなかった?」

里伽子は怪我をしたことの責任を仁に負わせようとしない。恋人である仁に頼らない。怪我した当時、親友だった仁にも頼らなかった。それを問い詰める仁。里伽子は決定的な一言だけは言うまいと気持ちを押し留めようとする。でも、それも限界。

「頼ろうと…思ったよ」

「けど………」

「頼らせてもくれなかったのは、仁の方だぁっ!!」

里伽子が怪我をした直後、仁は何をしていたか。心の拠り所だったファミーユを失ってしまった恵麻に付きっきりで、里伽子のことを考えもしなかった。

仁「しばらく…連絡取れないと思う。そうだな、一週間くらい」
里伽子「一週…間…?」
仁「本当に悪い!でも、里伽子ならわかってくれるだろ?」

燃えるファミーユに里伽子が戻る原因を作ったこと。
里伽子が怪我をする原因を作ったこと。
そして、里伽子が最も仁を必要とした時、傍にいなかったこと。
それが、仁の罪。

「二年間、一緒にいて…はじめて、支えて欲しかった日だったのに」
「それから何度会っても、全然気づいてくれなかった!…恵麻さんの怪我はすぐ気づいたのに!」
「好きだから、好きだから、大好きだからっ!仁が、憎いよぉっ!」
仁が里伽子に伸ばした手が、力無い左手で払われる。何よりも重い拒絶。



里伽子「さよなら」
別れの言葉を残して里伽子が去っていく。その場に、固まったように動けない仁。


里伽子は…
あんなにとてつもない寂しさと、やるせなさと…
そして、俺に対する憎しみを、抱えたまま。
それでも、俺を捨てきれずに、
恋人のまねごとまで、付き合ってくれて…
悲しいくらいに…いい奴過ぎて…
俺は…
………
そんな、聖母を、失ったんだ、な…

仁の内心描写が何度読んでも泣けてしまうので、全文引用してしまいます。この項は引用が大変多くて申し訳ない…。




◯ちっとも諦めてないってば
バレンタイン商戦へ向けて店長から発表。売上目標とクリアしたらのボーナスと増員を、という計画。不思議なくらい、仁の仕事ぶりはまともだし、モチベーションが高い。不審がる店員たち。

明日香「て…てんちょ…話せ過ぎ」
かすり「悪いものでも食べた?医者に余命幾ばくもないとか言われた?…恋人(リカちゃん)に振られた?」
なんてのが案外クリーンヒットだったりするわけだが、しかし、それとこれとの関係は?

仁は黒字化を機に店員個々の負担に頼り過ぎる従来の形態を見直して職場環境の改善を図るつもりらしい。確かに、誰か一人でも欠けたら回らない状況だもんな。仁の提案は合理的。ちなみに、これには仁が大学生と店長とを両立するということも含まれる。

恵麻「本気で、ファミーユを立て直す気になった?」
仁「そっちは最初から本気だよ」
恵麻「じゃあ…?」
仁「それよりも、ファミーユだけでなく、全てのことに本気になる必要が出てきただけ。大学とか、色々」
それはきっと、里伽子に繋がってくるんだろうけど。

運命に負けられない、と宣言をする仁。
あれ?ちょっとカッコイイ。
『あしたのために、その1』


久々の大学。
里伽子へ粉をかけていたことを種に、堀部を軽く脅して中村教授に渡りをつける仁。何をする気だ?
『あしたのために、その2』


駅前で瑞奈+玲愛に遭遇。両手一杯の荷物は全て本。市内の図書館を回って本を掻き集めたらしい仁。何の本だろう?
『あしたのために、その3』

ままらぶの涼子ルートで、涼子に振られた浩二が急にトレーニングを再開し、野球選手として再起を目指してたのと重なる。大事な人を失ったショックで、むしろ力強く生まれ変わるというパターン。わくわくする。




◯女々しい野郎どもの唄
明日香を実験台にマッサージの練習?おいこら、イチャつきモードの音楽流すんじゃないよ。真面目モードに入った仁には明日香のちょっとあれな反応も耳に入らない。

仁「どう?痛い?」
明日香「う、ううん…いたくないよ」
仁「よかった…ちょっとでも痛くなったら言ってね。すぐやめるから」
明日香「てんちょ…」
セリフだけだと大変けしからんシーンなんですけどねww

かすり「どう見てもフィリピンバーでホステス口説いてるしゃっちょさんなんだけど…」
箱入り家出娘の癖にスれてるなぁ。しかし、的確。

閉店後。うたた寝から電話で目覚める仁。恵麻からだった。
仁「…ゴメン、寝ぼけてた。姉さんが他人を起こすなんて、タチの悪い冗談だよな」
シリアスなシーンにも軽くジョークを挟んでくるのが大変良い。

電話の内容は、両親が仕送り多めに振り込んでくれたという話。高村の両親は怒っていた。一体何に?

恵麻「後悔しないわね?」
仁「果てしなく後悔したから、やるんだよ」

ちょっとちょっと、里伽子に振られてから仁くんやたらカッコイイぞ。このセリフがスゲー好きです、僕は。電話を切って、しばらくはふりかけご飯を覚悟する恵麻。これって、仕送り多めの部分はお姉ちゃんの援護射撃ってことなのかしら。

さて、仁は一体何をしようとしているのでしょうか。




◯あばかれた陰謀
里伽子、かすりと接触。
仁はいないと言われて「だから、来たの」と答える里伽子。『あしたのために、その2』では仁が「だから来た」と言っていた。シンクロ?

かすりに渡したのは何だろう。話の内容から考えるに、ファミーユの制服か。そういえば里伽子が手縫いで作ったプロトタイプが一着あったな。

里伽子「そっか~、もうサイズ合わないんだ~。見た感じだと分かんないけど、太ったんだね~」
仁と里伽子に深刻なことがあったのを知っているのか、知らないのか、どちらにせよまともに里伽子の相手をしないかすりには作為的なものを感じる。これも陰謀のうち?

里伽子「その…仁は…どうしてる?」
かすり「元気いっぱいだよ」
里伽子「………え?」
かすり「なんか仕事が楽しくてしょうがないって感じ。今が一番燃えてるんじゃないかなぁ?」
里伽子「な、なんで…?」

躊躇いながらも、結局仁の様子は気になって尋ねてしまうけど、充実している様子と聞いてショックを受ける里伽子。自分と別れて、当然意気消沈しているものかと思っていたのに。それを見て、ここぞとばかりにかすりは更に攻勢をかける。

「仁くんが楽しそうに日々生きてたら嫌なの?リカちゃん、何か困ることでもあるの?」
「わたし、本当に忙しいからもう行くけどさ、なんかそういう態度、好きじゃないな」
これは陰謀のうちなのか、或いは若干の私怨が入っているのか。

里伽子「…………どうし、て?仁は…平気、なの?」
一生傷ついて、自分のことを忘れないでいてもらおうと思っていたのに、仁が全然堪えていない様子で、里伽子はショックを隠せない。

かすり「リカリンめ…動揺しろ動揺しろ。心、千々に乱れるが良いわ~ふっふっふっふっふ~」
由飛「…かすりさんは仕事しろ仕事しろ」
どうやら、かすりの態度は仕組まれたものだったようですが、由飛に仕事しろと言われるくらい楽しくやっちゃうのはどうなのかしらww2chのスレだと、由飛はここのシーンが一番好きって意見もあったな。



退学届を出しにきた里伽子。
事務員から担当の中村教授に連絡が行って説得にやってくる。これはまさか、仁は里伽子が退学してどっか行っちゃうのを読んでいて、教授に根回しを?ちょっとワクワクしてきますね。

里伽子に母親から電話。
前日に「大学やめて地元に戻る」とだけ告げていたのだが、里伽子の知らないうちに話が進んでいて、「男連れて帰ってきて驚かすつもりだったのか」と笑う母。今朝、男が尋ねてきて里伽子の両親に挨拶をしていったらしい。これは仁くんだよなぁ、大学だけでなく、両親の方にも手を打っていたか。




◯なら、家族になればいい
閉店後の掃除を一人で引き受ける仁。今日は午後三時出勤だったようです。うなぎが美味しかったと言ってますから、やっぱり里伽子の地元の浜松に行ってきたんでしょうね。

片付けが済んだ頃、閉店後の店に里伽子が来る。大学の件と家族の件を問い詰める為だろうけれど、仁にとっては飛んで火にいる夏海の虫かもしれない。

“たぶん、一月ぶりくらいに見る里伽子は…”
仁「ちょっと太った?」
ここで、かすりが言っていたネタを引っ張ってくる辺り、随分逞しくなったんじゃないだろうか。なんて思ってたら、『リカちゃん、なんかやつれてたから、逆に『太った?』って聞くと喜ぶわよ』なんてかすりに吹きこまれてたんですね。まぁ、罠だと分かっててかかるのも心の余裕があるからでしょうけど。

退学届が受理されなかったこと、実家から電話が来たことを問い詰める里伽子。とぼける仁。すごいな、仁が里伽子に対して優位に立ってる。一ヶ月頑張った成果だな。

里伽子「今日、実家から電話がかかってきた」
仁「仙台だっけ?」
里伽子「浜松よ!知ってるでしょ?」
実家が仙台なのはショコラの香奈子さんです。

教授へ里伽子の事情を伝えて大学に引き止めさせる作戦、親御さんに根回しして実家へ逃げられなくする作戦、それから里伽子は気付かなかったけれど病院の方にも。第一クォーターで玲愛に「なりふり構うな」と言われた仁だけれど、本当に今回はなりふり構っていない。目的が明確で、確固たる決意があるから、物凄い力が出せてる。

仁が復学するのは里伽子の手になるため。勿論ファミーユの店長も続ける。大学生と、里伽子の手と、ファミーユの店長の三足のわらじ。

里伽子「無茶よそんなの…お店と大学とを両立させて、その上、あたしの手になるつもりなの…?」
仁「お前は、ずっとそれをやってきた」
里伽子「え…?」
仁「店と大学と…俺の面倒。2年間も、ずっと、見てくれてたじゃんかよ」
里伽子「っ…」
仁「だから、きっと俺にもできる。里伽子のためじゃなくて、俺のためだから」

里伽子は2年間、ファミーユを仕切り、大学では優秀な学生で、仁の面倒まで見てきた。だから自分にだって出来るはずだと仁は言う。好きな人の力になって、いつでも傍にいられるなんて、そんなに幸せなことはない。

腕の怪我だって、治る可能性はあるんだから諦めるなと仁は言う。でも、最も必要な時にいてくれなかった仁を、里伽子は信じられない。それでも仁はもう一度試してみろと退かない。

仁「もう一度…もう一度だけ、俺のこと、試してみる気はないか?」
里伽子「嫌だよ、もうっ」
仁「将来有望な八橋大生だぞ?」
里伽子「大学行かずに、バイトばっかり」
仁「バイト先では店長にまで上り詰めたぞ」
里伽子「姉の七光り」
仁「お前のこと、世界で一番愛してるぞ?」
里伽子「っ!………嘘っ!」

即座に否定できないのが、里伽子の中に仁を諦め切れない気持ちがあることを示している。この遣り取りで仁に悲壮感がないのが良い。

どんなに好きでも、仁が家族を一番大切にすることは変わらない。
里伽子「世界一好きでも、世界一大事じゃないなんて、そんなのは嫌ぁっ!」
だから里伽子は仁を拒絶する。

仁「約束する!お前を、世界一、大事にする」
でも、仁は引き下がらない。世界一愛している女性を世界一大事な家族に加える方法を仁は知っている。
仁「俺が大学卒業したら…結婚しようぜ?」

やっぱり、どこまでも仁にベタ惚れの里伽子にはこれが効果抜群で、すっかり取り乱して、もう拒絶の言葉も出てこない。
「結婚、しよ?」
「そんなに俺のこと嫌いか?」
「…そこでぶつのは否定を意味するぞ?」
「好きだろ?俺のこと、好きだよなぁ?」
仁の言葉に言葉で反撃できず、唯一動く右手を出すしかない。

里伽子「あたしを丸ごと背負うつもり…?」
仁「そんなカッコいいこと考えてない。俺はただ、お前の苦境に付け込んでるんだよ」
そうとも、仁は里伽子を助けたかったのではなくて、里伽子を手に入れたかったんだ。

どうにかなると信じて自分の手を取れと仁は言うけれど、未来に希望を持って生きることをやめてしまった里伽子にはそれが出来ない。でも仁は諦めない。両手で子供を抱こう。いまわの際に自分の手を握ってくれたら満足だ。必死になって里伽子を口説く。

仁「だから家族になろう?里伽子」
里伽子「本当に…本当に…しょうがないなぁ………仁はぁっ!」
やっぱり里伽子は、仁を拒絶できない。

里伽子「なんでこんな、壊れちゃったあたしにこだわるのよ…これじゃ、今までの強いあたしが、馬鹿みたいじゃない」
仁「強い里伽子に甘えるのも、弱い里伽子に甘えられるのも、比べることができないくらい、同じくらい大好き、だ」
里伽子「なんでそれを先に言わない…」
仁「こんなこと、強い里伽子に言えるかよ…カッコ悪くて」
里伽子「あんたの、その、取るに足らないプライドのおかげで、あたしがどれだけ哀しい思いをしたか…わかってんの?」

ダメ恋で理くんが麻美に結婚しようと言い続けるクライマックスと重なるシーンだった。その言葉がもっと早く出ていれば、こんなに傷つけ合うこともなかったのに。でも、その後悔を差し引いても、麻美は理と、里伽子は仁と、一緒にいたいと思ったのだなぁ。

里伽子が部屋を飛び出すシーンが「サボテンの花」なら、仁が里伽子をついに口説き落とすこのシーンは「青春の影」でしょうか。まさに「君を幸せにする、それこそが、これからの僕の生きるしるし」じゃないですか。プロポーズでいまわの際の話をするのは、さだまさしの「関白宣言」的でもある。

里伽子の要求。
二人の思い出の、ファミーユの最初の制服を着せて欲しい。



「もう、これを着て、みんなと働くことはできないけど」
「最後に、もう一度だけ、仁に、見てもらいたい」
里伽子のイラスト、ここが一番好きかな。今更ですけど、里伽子可愛いですよね、ヴィジュアルも。

里伽子「仁が手伝ってくれるなら…あたし、もっとお洒落したい…似合わないくらい、可愛い服も、着てみたい…」
何だかこのセリフが妙に泣けちゃって。泣けちゃって。

里伽子「こんな…感じ…っ」
仁「ああ…」
里伽子「メイド服より、もうちょっとカフェの制服に近くしてみました…っ」
仁「ああ…っ」
里伽子「ちょっと、ウェストきついまま…でも、まだ、着れた…着れたよ」
初めて着た時と、同じ遣り取り。二人して、涙をぽろぽろ零しながら。

里伽子「本当は、ずっと戻りたかったんだよ。みんなのとこ、帰りたかったんだよ…っ」
仁「おかえり…ようこそ、ファミーユへ」
恵麻と仁と里伽子で始めたファミーユなんだから、里伽子の思い入れが深くないはずはない。お店のコンセプトだって、内装だって、制服だって、全部里伽子が考えたんだから。

全て清算して、やっと心から通い合ったと信じられて、二人でスタート地点に立って、だから仁と里伽子は改めて互いを求める。二人ともどんどん身体と心を開いていって、かなりいやらしいこと言ってて、エロいシーンなんだけど、何だかもう涙が出てしまう。仁がずっと左手を握り締めてたのが、また…。

里伽子「あたしが今、どんくらい幸せか…あんたにわかる?」
仁「…そんなリーズナブルなこと言うなよ」

これくらいで幸せにならなくて良い。と言ってるんだけど、reasonableはそもそも理屈に合うって意味でして、ほぼ丸三年かけて仁の一番を勝ち取った里伽子が幸せを感じるのはリーズナブルだよなぁ、と思ったり。




◯里伽子trueエンディング
二人の娘を撮る最初の写真。

仁「俺の娘だぞぉ!?」
里伽子「あたしがお腹を痛めた」
仁「俺が気持ちよかった!」
里伽子「…最低」
あぁ、くそ。こんなので笑い泣きしてしまう。ガードが極端に緩くなっている。



娘の名前は高村夏海。抱いているのは高村里伽子。写真を撮っているのは夫の高村仁。思い描いてきた未来図の一つのゴール。五度の手術と五年のリハビリを乗り越えて、やっと両手に抱けた娘。一度は全てを諦めた里伽子にとって、それは信じられないくらいの幸福で、涙も止まらない。


仁「本当に…しょうがねえなぁ…里伽子はぁ…っ」




パルフェは里伽子ルートのためにあるゲームでした。いや、他のルートもそれぞれ素晴らしいのだが、それにしたって里伽子ルートが素晴らしい。

パンドラの箱に最後に残ったエルピスは「期待」とも訳されて、未来へ期待するから人は苦しむようになったとも言われる。その筋で行くと、仁と幸せになるという未来を描いた分だけ苦しくなるというフォセット「里伽子抄」の伏線とも言えるのかも知れない。なんて深読みかしら?

今日はここまで。
PR
コメントを書く
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
 HOME | 51  50  49  48  47  46  45  44  43  41  40 
Admin / Write
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
プロフィール
名前:ロロ
20年くらい前に生まれて大学生をやっている。法律書を持って家と大学を行き来するのが日課。法律学よりは政治学の方が好き。男性向けエロゲーやったり、BL読んだり、野球見たり、料理したり、演劇したりするのが趣味。好きな作家は丸戸史明と門地かおり。ノルマンディー公の方のロロ。
コメントとかはお気軽に。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]