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~A lack of Magic Point~ エロゲーとか芝居とかについて書いていくブログ。
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さて、飄々としていたかおりの態度に変化が訪れるかおりルート後半戦です。


第5話「ふたりはセフレ?かおり&浩二」
これの元ネタ、二人はプリキュアじゃないよね?多分もっと古いのがあるんだな。

かおり「ごめん!本当にごめんなさい!三徹明けだったし、仕事も終わってたし、無意識のうちに、ついフラフラと寝ちゃった…」
浩二「居眠りみたいに言うな…」

まぁ、かおりは実際それほど反省していない。解決策を話し合うかおりと浩二。かおりとしては、浩二と涼子との関係を壊す気はないわけで。取り敢えず、浩二と涼子がどこまで行ってるのか聞きたがる。

かおり「嘘…キスだけ?」
かおり「だってお前…だったら昨日のは初めてか?」
かおり「照れるなこのベッドヤクザ」

話が脱線しとるぞ。
本題に戻って、昨夜のことは「なかった方向で」ということに。そして、かおりはやはりマンションを出ることに。

かおり「昨日みたいに力強く止めれる?」
浩二「う…」
かおり「やめとけ…今日それ言ったら、それはもう『私の男としての発言』になっちゃうよ?」

浩二がかおりの幸せを願っているように、かおりも浩二の幸せと平穏を願っているわけで。浩二が自分に執着することに釘を刺す。いや、ワンチャンあるかもって思ってる部分はないとは言い切れなさそうだけどな。



と、暫くしまして藤枝家居間。
お昼の冷麦に文句をいう浩二の願いを聞いて、優しい小雪は素麺も茹でてくれる。うーん…うん、優しい。かおりを呼んで来いと言われて浩二が難色を示す。とっても不自然。と、言う所でかおり登場。珍しくまともに服着てる。これは明日辺り雪降るな。夏だけど。

ちなみに素麺と冷麦ですが、一般的には乾麺で~1.3ミリが素麺、1.3ミリ~1.7ミリが冷麦、1.7ミリ~がうどんとされています。そんなことより蕎麦食えよ。

かおりが席に着くと同時に「ごちそうさま」と席を立つ浩二。二人とも何だかぎこちないぞ、と。



甲子園が気になりつつ勉強中。瑠璃から花火の誘い。

瑠璃「メイドインチャイナの妙な日本語の説明書読んで一緒にせせら笑おうよ~」

こいつの性格の歪みは芸術の域だな…。しかし、浩二としてはかおりと顔合わせにくいという事情がありまして、はっきりしない物言いでパス。一方のかおりもクリスからの花火の誘いを断る。んー、さっぱりしないなぁ。



勉強している浩二に差し入れを持ってくる小雪。と、そこにかおりから電話。ちょっと気まずそうな顔で変態的な単語を並べ立てるのはどうかと思うけど、なるほどマネージャー業の残務処理ね。

浩二「ああ…前に納品したテキストが倫理チェックに引っかかったんだと。だからちゃんと伏字にしろとあれほど…」
小雪「ある意味真剣なのは認めるけど、ああいう大学生になるのだけはやめてね、浩二」
浩二「別に…俺にはもう関係ないし」

小雪「浩二さぁ…」
浩二「ん…?」
小雪「かおりさんと何かあった?」

明らかに怪しい浩二の態度。流石に鈍感な小雪も何か勘付いた様子。小雪に怪しまれるって余程だぜ、浩二くん。てかさ、何に対してもマイペースなかおりと喧嘩というか冷戦状態ってのは余程のことだし、かおり自身がそれだけ浩二に対して真剣に向き合ってるってことなので、そりゃ疑われるよなぁ…。



涼子に状況を報告する小雪。浩二とかおりの間に涼子を入らせようとする小雪は、やはり感度が鈍いんだけど、いや、別に小雪が不感症とかそういう話ではなく。。。瑠璃は何故小雪に『お兄ちゃん、しばらく見ないうちに年上キラーになってた』とか言ってしまうんだ。揉めさせたいのかww

かおりと浩二の仲裁(?)に関して昭にお鉢が回ってくる。父子仲良く野球盤に興じながら。高校生と親父で野球盤って、ちょっと変な感じだな。

昭「お前、小雪ちゃんとはしょっちゅうやり合うくせに、かおり君とここまでしっぽり「やっちゃった」のは初めてだろ?」
浩二「他意はないよな…ないんだよな、親父…」

やるとしっぽりを合わせると意味が極端に限定されるので、ダメです。あと、昭さん、この状態だとその冗談が冗談になりません。

昭「よっしゃ、チャンスチャンス」
浩二「くっそ~!」
昭「集中しろぉ元金の卵…略してキンタ」
浩二「負けるわけにはいかんっ!」

Flash時代に再度ブームを迎えた「金太の大冒険」ですが、岐阜放送ラジオが発祥なので丸戸得意の東海ネタということになりますね。初出は75年?意外と古い!

昭「もし、喧嘩してるのなら、ちゃんと仲直りだ。土下座して、他の女と全て切れるからって言えば、必ず許してくれる」

パパのアドバイスは役に立ったり立たなかったりする。いや、実際のとこ浩二が他の女(涼子とか涼子とか)と全て切れるからって言ったら仲直り出来そうですけどね。



執筆中のかおり、浩二とのあれこれを思い出してしまい、音楽をガンガンかけてオナニーを始める。いや、音楽かけたら「今最中です」って伝えてるようなもんじゃ…。で、折り悪くというか、いや、お約束な感じに現れる浩二。幸いかおりが何をしてたのかには気付かず。

かおり「で、なに?何の用?夜這い?」

接触をなるべく避けてきたのにノコノコと現れた浩二に対してかおりは冷たい。いや、オナニー邪魔されたから不機嫌なのもあるかもだけど。浩二はよそよそしい態度が怪しまれているということを伝える。さて、怪しまれずに過ごすにはどうしたら良いか。

接触を避けるのではなく、これまで通り軽い接触を保とうということになったわけですが、その距離感が難しい。例えば服装とか、二人でいる時に何するのとか。

浩二「肩に頭乗っけるな。体重預けるな。さり気なくリラックスすんな」
かおり「しょうがないじゃん…こうするとなんか落ち着くんだから」

おいおい、かおりは本当に「なかったこと」にしたいのか?言行が不一致だぞ。と思ってたら、キスしてしまいました。あーあ。大人らしい常識論を持ちだして、もう止そうと言い出したのはかおりなのだが、結局浩二に積極的にアプローチをかけてしまう。

浩二「俺たち今…あの時の約束、反故にしようとしてるんだぞ?」
かおり「私は…いつも浩二にも選択権渡してるよ」
浩二「………」
かおり「して欲しいことの中には、もちろん『何もするな』だって含まれてる。…それを踏まえてどうする、浩二ぃ?」

かおりは意外と臆病というか、度胸がないので、常に浩二との合意を形成しながらじゃないと先に進めない。すれてるようでいて意外と純だった夏夜(ダメ恋)、経験豊富なようでいて全くのウブだったかすり(パルフェ)にも共通する部分があるよね。

浩二「俺…かおりさんのこと…好きみたい」

最中にこの発言ですよ!そりゃ、かおりさんの膣も締まるってもんです。くそう、恐ろしいジゴロの家系め。



さて翌日。二人っきりになるとついつい良い感じの雰囲気になってラブイチャしてしまうということで、外で会うことに。でも、外で会ってもどうしようもない下ネタトークは変わらないんだな。浩二の目的は外に出て、かおりと昔みたいに遊んで、かおりが引っ越す残り一ヶ月を元通りの関係で過ごすこと。

「…浩二は、その方がいい?」
「やれるもんならやってみな」
「本当にそれができるんなら、望むところ」

この発言を見る限り、かおりとしてはどうも今更浩二と元の関係に戻ることは無理だと感じてるっぽいですよね。本気になってる自分を自覚してるのかな。

映画
→ラブストーリーを見たがるかおり。おいおい、デート気分だろ、あんた。でも、映画館ってヤれちゃうよな、と気付いて取り止め。

遊園地
→大観覧車で30分も二人きり、なんてシチュエーションは確実にアウト。

デパート
→安いものなら服でも買ってあげよう、なんて言い出す浩二。喜ぶかおり。この時点でかなり男と女っぽいのだが、試着室が危ないという判断からパス。いや、試着室でしちゃうって余程だぜww

というわけで、どこにも行けずに公園へ。しかし、引き籠りのかおりにとって、炎天下の外出はきつかったようで、ついにダウン。浩二の膝枕。



浩二「とりあえず、今の様子は、仲の良い姉弟に見えるかな?」
かおり「どうだぁ?いいとこ、恋人同士じゃないの?」

かおりは浩二を男として意識するし、浩二はかおりを女として意識するわけで、もう何でもない二人組という訳にはいかない。

「俺たちがさ…もう、男と女でしかいられないとしてさ…」
「もし、その…その関係でもいいから、かおりさんに出て行って欲しくないって言ったら…」
「俺…やっぱりかおりさんと一緒にいたいよ」
「好きだよ…かおりさんのこと。少なくとも、毎日顔を見たいくらいには」

浩二の告白。父親の教え通り、覚悟を持って引き留めにかかった。良いぞ、浩二。頑張れ。(何故か兄貴かなんかのつもりになっている)

浩二「駄目だわ俺…うん、好きだ、かおりさんのこと大好きだ。なんか閃いちゃった…」
かおり「だ、だから、落ち着いて考えろよ…お前には、ずっと前から好きだった人が」
浩二「うん…最低だな、俺」
かおり「わかってんならもう口に出すな」
かおり「私が悪かったよぉ…もうしない。絶対に、お前に男なんか感じないから、だから許して…」
浩二「瞬間最大風速かもしれないけど…今は俺、かおりさんが一番好きだ」

もうちょっとかおりを取るか、涼子を取るか、みたいなのがあっても良かったかなぁと思ったりもする。ただ、かおりの方が「涼子を押しのけて自分が?」みたいなトコがあるから二人共がそれを考えだすと面倒臭いんだけど。

キスだけしていいかと聞いて、キスをする浩二。かおりの「キスだけで満たされるなんて、本当に好きってことじゃないか」って発言が良いなぁ。浩二と元の姉弟に戻るのは寂しかったくせに、本気の関係になるのは怖いというかおりの乙女心。



その夜。
突然「ねえ、パパ…」と息子から呼ばれた親父が狼狽して鼻からブランデーを飲んだ様子がこちらになります。40度のアルコールを粘膜吸収するのはきついぞー。あ、ブランデーはそもそも「火の酒」という意味です。鼻から火が出るのもむべなるかな。



浩二「親父はさ…一度に二人の女の人を好きになったこと、もちろんあるよな?」
昭「二桁まで減ったことはあるけど、二人ってのはないなぁ…」

糞野郎すぎる昭ですが、でも、わざわざ自分に相談してきたのは「一度に何人も好きになってしまうのは仕方ない」と言ってもらいたかったからだと看破して、息子に厳しい言葉を投げかけて、最後に「いつまでも好きな人と一緒にいられるといいな」なんて優しい言葉をかけられるんだから、やっぱりカッコイイ。昭オジサマに惚れた。



涼子と「大変大変かおりさんが」という話。ついに修羅場か、と流血の惨事を覚悟した浩二。慌てて涼子を宥めにかかるも会話が噛み合わない。どうやら修羅場ではなさそう。自体を飲み込みかおりを訪ねる浩二。

浩二「決めたんだって?引越し。もう、契約までしちゃったんだって?新しいマンション」
かおり「………うん」
浩二「………」
かおり「その…ごめん、勝手に決めちゃって」
浩二「なんで…」
かおり「いや、それは…話せば長いこと…にはならないけど、ちょっとばかし、その、言いづらい…」

引き留めを聞き入れてくれなかったことを責める浩二。言い淀むかおり。ここの会話に一周目は違和感を感じなかったのだけれど、よくよく考えてみるとちょっと噛み合ってないんだよね。

浩二「好きなのに!かおりさんのこと大好きって言ってるのに!」
かおり「あ、あは…そう、面と向かって、思いっきり言われると、その…」
浩二「それでも駄目なの?結局なにも通じてなかったの!?」
かおり「い、いや、その…」

かおりを放したくない浩二は、かおりに釣り合う男になるように頑張るから、と懇願する。それを拒むかおり。この辺は、無気力な人間にありがちな自分への自信のなさの表れなのかなとも思えたり。
かおりは浩二を囲ってしまう前提でマンションを借りた訳だが、自分の気持ちが浩二に全然伝わってないことに凹み気味です。で、態度を硬化させてしまう。

かおり「め…」
浩二「…?」
かおり「めんどくさい」
浩二「え…」
かおり「一度や二度寝たくらいでそこまで考えるなんて、なんてめんどくさい奴だ」
浩二「かおり、さん?」
かおり「ちょっと誘惑されたくらいで、そこまで本気になっちまうなんて、なんてめんどくさい奴だ」
浩二「そ、それ…どういう…」
かおり「好きだって勘違いしただけで、どこまでも先走るなんて、なんてめんどくさい奴だ」

字面からは分からないけど、微妙な機微を感じる演技で一色ヒカルの実力に感心するセリフ。
これはかおり自身に対する言葉でもある。自分の気持ちが全然浩二に伝わってないのに一緒に住もうとマンションを契約しちゃう自分の馬鹿さ加減に呆れたり、苛立ったりしている。

かおり「めんどいの嫌。マジなの嫌。純愛は…嫌いだ」

多分、かおりは極めて現実社会にありがちな人間なんだと思うんですよね。本気になっては空回って傷付いて、力を抜いてやる方が傷付かずにそれなりに上手くいくからそれで通して、一見器用で世慣れてるけど実際は繊細で不器用で本気になることに恐怖を抱いている。

かおり「浩二…私、お前のこと、嫌いじゃないよ。むしろ好き」
浩二「………」
かおり「でも私は…うん、やっぱり、出てく」
浩二「………」
かおり「…ごめんね」



最終話「大騒動の小さな家」
「大草原の小さな家」くらいは僕も聞いたことあります。

ついにかおりの引越しの日。荷物運び要員として貴重な男手である浩二はモチベーションが極めて低い。小雪に叱咤されながらダラダラ働く。フローリアス樹ヶ丘五階女性陣(かおりを除く)がてきぱきと働く中、肉体労働に関しては植物並のかおりは邪魔にされる。自分の引越しなのに。

小雪「ちょっとかおりさん。みんな忙しいんだから邪魔しないようにキッチンの中でビールでも飲んでて」
かおり「…足手まとい?」
瑠璃「遠慮がちに言うとそんな感じ」
クリス「ルリ!ソレハvery very little 失礼ヨ」
涼子「そうよ瑠璃ちゃん。足手まといなんてとんでもない」
涼子「かおりさんはわたしたちと同じ速さで動けないだけなんだから」

手は結構速いけどな。なんちゃって!!(反省します。
小雪に緩衝材渡されてプチプチやってて良いよと満面の笑みで言われるかおりって人間として結構終わってるよな。いや、僕は大好きですけど。

「観葉植物の鉢植えはどうする?」って件について自分で聞くのがきまずくて瑠璃に伝言ゲームを頼む浩二。ええい、イライラするウジウジな奴め!伝言ゲームは浩二→瑠璃→昭→クリス→かおりと進む。間にクリスを挟んだら絶対上手く行かないと思うのだが…。

クリス「『官能小説の母上はこうなる運命だ』とカオリが…」

ちなみにクリスが示したのは『母娘萌姦 悦虐ラブラブ生調教』藤枝母娘と浩二がモデルになってるという、身内を売ったような小説だが、いや、正直ちょっと読んでみたい。



かおりの部屋から荷物が全部なくなって、かおりと初めて会った日を思い返す浩二。回想でもかおりは下着にワイシャツという格好だった。大学1年からそれなのか…。で、そこに現れるかおり。浩二の視線が誰に向いてるか、かおりは分かっていた。

かおり「なのに…どうして今になって私の誘惑に負けてんだよ、お前。肝心なとこでヘタれちゃって…いや、固かったけど」

何でシリアスなシーンにシモな笑いを挟むのかwww

浩二「きっかけは、多分あれ。かおりさんが最初に出てくって言い出したとき。ほら、俺がゴネて…」
かおり「………」
浩二「そしたら、かおりさんが優しくて…背中が触れて、あたたかくて、やわらかくて、気持ちよくて」
かおり「お前…スキンシップに弱かったのかぁ…そっか…当たり前だよな、マザコンなんだから」

浩二は自分が如何にかおりを想っているかを語ってるんだけど、かおりは小雪からもらった緩衝材をプチプチし始める。照れ隠し?

かおり「浩二は、本当は私のこと、そんなに好きなわけじゃない」

似たセリフがパルフェの里伽子ルートにもあったなぁ、と思ったり。これは半分は、自分が諦めるために自分に言い聞かせてる節もあるよね。


新居着。運び込みというところで、荷台にいた浩二が乗り物酔い。新居のトイレで吐くわ、ベッドを占領するわ、という体たらく。

小雪「ごめんねかおりさん。新品のベッド、いきなり使っちゃって」
かおり「いいよ、全然問題ない。それに…小雪が謝ることじゃない」
小雪「それでもごめんね」
かおり「小雪が謝ることじゃないて言ったよね?」
小雪「かおり…さん?」

かおりの微妙な心境を表してるよなぁ。浩二に代わって謝る小雪って浩二の何なのさ、ってかおりの立場としては思うわけで。いや、なかなか可愛いとこありますよね、かおりさん。

かおりの新居は2LDK。ベッドもソファーも大きい。僕は一周目には何にも気付かない鈍感でしたが、二週してみるとなるほど怪しいところだらけだ。セリフの中にもソファーが大きいってのは言及されてるし。



浩二は働くようになったものの、ちょっとヤケっぽい。かおりと話そうとしないし、かおりもかおりで浩二と話せない感じ。モヤモヤするなぁ、この二人。

小雪「もう、まだイジけてる。ホントにごめんねかおりさん」
かおり「だから!他人が謝るなって!」
小雪「っ!?」
涼子「かおりさん…」
かおり「あ…」

僕はやっとこの辺で何かおかしいよなって感じになってきました。涼子のこれは事情が分かってる反応だよなぁ。


引越し完了ということで宴会開始。浩二はベランダで黄昏気味。小雪は泣き上戸の説教上戸になってかおりに絡む。良い奴だなぁ、かおり。OPで登場人物は成年と書かれているので、皆して酒を飲んでいる。そういうシナリオが許されるんだから良い時代ですね。今から10年近く前のゲームですが。

かおり「小雪…本当はお前があいつの側にいるべきなんだよな。私とか、あのひとじゃなく…」

こういうセリフってお察しキャラらしいですよね。自分と相手の関係以外は気にしない、気にする余裕がないヒロインよりも周りが見えちゃって苦しむヒロインの方が僕は好き。

涼子「…いつでも会えるわよ」
浩二「それは…お互いの心が離れてない場合に限るよ」
涼子「離れてないわよ?かおりさんと浩くん」
浩二「どうして、そんなことわかるのさ…」
涼子「ん~…今日一日だけでも、色々とわかったわよ?」

かおりの部屋に何が増えていた?という涼子からの謎掛け。浩二にはその答えが分からない。その答えがかおりの本心を知る鍵になる。

涼子「今はわからなくても、浩くんが本気でい続ければ、必ずかおりさんの本気が帰ってくるから」

浩二は、涼子が自分に甘いのが不思議でならない。自分は恋人である涼子を裏切ったわけで、そうまで涼子に優しくしてもらう理由がないと感じている。いや、でも、涼子にとっては恋人じゃなくなっても、浩二は自分の息子みたいなものな訳で。

涼子「浩くんだもの」
浩二「どの俺?お隣の子の俺?家族同然の俺?それとも…」
涼子「お隣の子で、家族同然で、大好きな浩くん」

涼子「…浩くんが見ようとしなければ」
浩二「え…?」
涼子「いつまでたっても、“あの子”の本当の気持ちに気づかない」

母親であり、恋人である涼子は浩二の全てを受け容れ、そして助言する。浩二の幸せを願っているから。このシーンで涼子のことが好きになった人もいたんじゃないだろうか。僕は、正直なところ涼子の株が上がりました。



宴もたけなわですが、そろそろお開き。最後にかおりから皆へ一言ということに。

涼子「…自分から言うんだったら、これが最後のチャンスよ」
かおり「え…」
涼子「みんな帰って、ここに一人ぼっちになって…30分経って、1時間経って、1日経って…」
かおり「………」
涼子「そのとき、後悔したくなかったら、もう、折れるしかないと思うんだけど?」

おいおい、こっちの背中も押してくれるのか。優しい女だなぁ、藤枝涼子は。いや、でも、それでこそ、この擬似家族の母親役というべきかもしれない。フローリアス樹ヶ丘5階の母親役ということは、かおりにとっても母親代わりのはずだから。

かおりから一人一人へ一言ずつ。
特に涼子への一言が良い。

かおり「涼子さん…一番迷惑かけたね。取り返しのつかないくらい、酷いことしちゃったね」
かおり「ごめん…ごめんね。もうしないから」
涼子「さあ…何のことかしら?」

昭、クリス、瑠璃、小雪、涼子と来て最後に浩二。

かおり「浩二…」
浩二「うん…」
かおり「私…私、さ…」
涼子「………」
浩二「な…なに?」
かおり「………さいなら」

ここまでお膳立てされながら、別れの言葉しか言えないかおりはヘタレ女だと思うぜ。いや、でも、そこが可愛いとも言えるわけだが。



帰り道。レンタカーの返却に付き合う浩二。藤枝母娘と瑠璃とクリスはタクシーで帰っている訳だが、そっちではなくこっちに付いてきた真意は、涼子から出されたヒント「かおりの部屋に増えていたもの」についてヒントを貰うため。

増えたもの、PC。元々ラップトップとノートが1つずつだったのが一つ増えている。リビングテーブル。輸入物で余裕の10万越えという高級な二人がけのソファー。

浩二「稼いでんなぁ…あの人」
昭「ちと浮かれすぎのきらいはあるけどね。さ、浩二の番」

さて、かおりは一体何に浮かれているのか。
増えたものはまだまだある。本棚。中身がスカスカの洋服ダンス。大きめのダブルベッド。そして、ワンルームでも良かったはずなのに2LDKを選んだということそのもの。さて、導かれる答えは如何に?



かおりの家。インターホンとノックの音。鍵が閉まっていないドアを開けて、かおりの前に浩二が現れる。急な登場に狼狽するかおり。

かおり「ど、どしよ…なんで、なんでぇ?」
浩二「もしかして、もう寝てる?」
かおり「う、うわ…うわぁ…」
浩二「なんだ、起きてるじゃん。開けるよ」
かおり「あああ開けるな!」
浩二「そんな台詞、着替え中だって言ったことないじゃん」
かおり「だって…だって…」
浩二「だって…泣いてるから?」



ようやく、彼は正解に辿り着いたようです。いや、正解なんてものは無数にあるものですから、そのうちの一つと言えば良いだろうか。少なくとも、愛とセックスで解決できる類の解答に彼は辿り着いた。



所変わって藤枝家。
涼子「小雪ちゃん…」
小雪「はぁ…すぅ…」
涼子「ママはね…あなたがいれば…何もいらない」
小雪「すぅ…ん…すぅぅぅ…」
涼子「いらないの…」

辛いなぁ、涼子。



さて、かおりの前に戻ってきた浩二。

浩二「なんで俺、あんなにいじけてたんだろ…かおりさん、こんなにちっちゃくて可愛いのに。俺が、守らなきゃならないひとだったのに…」
かおり「わ、悪いものでも食ったのか?」
浩二「熱に浮かされてるのは確かだよ…嬉しくて、嬉しくて、かおりさんを抱きしめて、めちゃめちゃにしたいと思ってる」
かおり「う、嬉しいって…お前、大丈夫か?」
浩二「やっと、気づいたから…俺は、とんでもない勘違いをしてたってことに」

勘違い。かおりがこの部屋を選んだのは、二人で住むため。

浩二「自分の気持ちのことばっかで、かおりさんがなにを考えてるのか、気づこうともしなかった…ごめん」
かおり「だからぁ…お前なんかと関係ないんだって。私たちがどうなろうと、いずれ出てくつもりだったんだって…言ったよな、前も?」
浩二「そうだね…確かに聞いた。俺、めっちゃ悲しかった」
かおり「そ、それでさ…部屋探して…紆余曲折あって…やっとここ見つけて…契約して…いろいろあって…現在に至る」

「紆余曲折」と「いろいろ」について気になる浩二。

かおり「予算は10万以内。ワンルームでもいいから、なるべく新築」
かおり「どうせ出かけやしないから、駅からの距離とかはどうでもいい」

身の丈にあった一人暮らし。そのつもりが狂ってしまったから、現状がある。

かおり「新築は望み通り。駅から徒歩15分。これもまぁ良しとしよう」
浩二「そうだね」
かおり「けど…2LDKで家賃15万5千円?敷金と礼金合わせて80万以上ぶっ飛んだ?何だそりゃ?」

大きめのダブルベッド23万8千円。ソファーもリビングテーブルも、全部二人用。出ていくというかおりと、一緒にいたいと言って引かない浩二の、意見を集約した結果の産物。

かおり「なんでこんなデカいとこ契約しなきゃなんないの?どうしてなんでも二人用のもの選ばないといけないの?」
かおり「私の稼ぎ程度じゃ、滅茶苦茶キツかったんだからね!」

かおり「めんどくさい」
浩二「え…」
かおり「一度好きだって言われたくらいでそこまで考えるなんて、なんてめんどくさい奴だ」
かおり「ちょっとなつかれたくらいで、そこまで本気になっちまうなんて、なんてめんどくさい奴だ」
かおり「好きだって気づいただけで、こんなにも先走るなんて、なんてめんどくさい奴だ」

かおりはサバサバしてるようで、とても、めんどくさい女だった。男の言葉に一喜一憂して、ちょっとしたことで先々まで思いを巡らせてしまって、度を越してはしゃいだり、どうしようもないくらい沈んだり。

「めんどいのOK…」
「ん…マジなの歓迎」
「かおりさん…大好きだ」

浩二のトドメの告白。しかし、引越し話の時にかおりが離れようとしてると誤解した浩二への不信は大きい。秋月かおりは臆病で繊細な女なのだ。丸戸ヒロインは下世話なほど繊細で傷つきやすい。

かおり「浩二が私と同じこと考えてないって知って、浮かれてた気持ちに、冷水を浴びせられて、自分の先走りが物凄く怖くなって…」
かおり「そりゃそうだ、冷静に考えたら、これって人の男奪って、しかも囲っちゃうってことだし」

浩二を拒むかおり。かおりの葛藤に気付けなかったこと、傷付けてしまったこと、その罪を償いたいという浩二。

浩二「だから…やらせて」
かおり「………」
浩二「やらせて、かおりさ…」



よりによって、この場面で出てくるのが「やらせて」なんて言葉だった訳で、そりゃ殴られますよね。涙腺を緩め気味だったせいで笑いへの耐性が甘くなっていた。大笑いした。まぁ、浩二はかおりのヒモになるわけだから、困ったら身体でってのは何らおかしくないような、いや、おかしいかww

かおり「お前、ここまで私を追い詰めといて言う言葉がよりにもよって『やらせろ』か!?」
浩二「すぐにエロに持ち込むのはかおりさんの持ち味じゃん」
かおり「私はTPOをわきまえてる」
浩二「俺だってそうさ。今は…やっちゃう時だよ、かおりさん」

かおりの愛人、もう少しアレな言い方をするとヒモになる決意を固めた浩二は忠実にその役割を果たすべくかおりに迫る。押しに弱いかおりは案外あっさり浩二に唇を許してしまう。抵抗出来ないまま、結局やっちゃうことに。

浩二「だって俺、かおりさんの愛人だもん。かおりさんを気持ちよくすることにかけては妥協しないよ?」

いざ、浩二が自分の胸に飛び込んできて、こんなこと言ってどんどん攻めてくると、うぶなお嬢ちゃんのような反応しか示せなくなるかおり。浩二になすすべなくやられてしまう。実際「いやいや」言いながらかおりノリノリだしな。アナルセックスまでしてしまうし。



翌朝。浩二に犯されまくってボロボロのかおり。安らかに眠る浩二を見て「ええい腹の立つ」なんて思いつつ、寝言で名前を呼ばれて機嫌を良くしてしまったり。それがまた、浩二にすっかり惚れ込んでいることを実感させられて腹立たしくなったり。ベッドマフィア呼ばわりしてみたり。この前はヤクザだったけど格が上がってる…のか?



かおり「寝言一発で全部チャラになると思ったら大間違いだ!この性欲魔神め!」

夜を徹して10回もセックスをした二人。浩二の性欲に舌を巻くかおり。かおりの本に出てくるキャラはそんなもんだと反論する浩二。いや、その反論もどうなのよww

かおり「あの物語はフィクションであり、実在の人物、団体とは一切関係なく、従って登場人物の精力、持続力、耐久性などは作者の妄想であり」
かおり「身近にそんな人物がいるなんて想像もしてませんでした~」

この台詞、クスっと出来て好き。自分は何て男を囲うことになってしまったのだろう。何て男に惚れてしまったんだろう。なんてことを言いつつも、浩二が愛しくて、浩二と一緒にいるのが幸せで、そんな状態に陥ってることがちょっと悔しくて。



暫く後。



なんつー状態で仕事してんだあんたwwいや、休憩中の光景だと思おう。この体制だと浩二逞しい感じするなぁ。頼れるなぁ。

恐らく昭に「たまには顔出せ」と言われたらしい浩二は、週末久々に実家に戻らないかと提案する。難色を示すかおり。浩二をヒモにしちゃってる状態に対する後ろめたさがあるんだろうなぁ。

かおり「顔向けできないよ。昭さんにも、小雪にも。…涼子さんにもね」
浩二「…なんか駆け落ちした日陰女みたいだぞそれ」
かおり「…自覚あるし」
浩二「うわぁ…」
かおり「全部、私のわがままが悪い訳だし」

かおりは浩二を囲ったからには責任を持つ、ということで昭からの仕送りも全て返している。適当なようでいて真面目と言うか、何と言うか。いや、それが帝王大生っぽいな、うん。

かおり「うるさいなぁ…あんたは私の側でゴロゴロしてりゃいいのよ」
浩二「その立派なヒモ扱いはやめてくれよ…何年一緒に暮らせば考え改めてくれるかなぁ?」
かおり「…少なくとも浩二が大学出るまで」
浩二「まだ半年もあるのかよ…」

高3の夏からだから、もう約四年も一緒に住んでるのか。その四年間で、浩二がつけた家計簿によると浩二はかおりに400万の借金があるとのこと。私大文系だと授業料だけでも400万は超えるから浩二は国公立に進んだのだろうか。勉強したのだな、多分。

「その借金だけどさ…そろそろ踏み倒す気にならない?」
「その…私が、債権者と保証人を兼任するってのはどう?」

夫婦であるからといって直ちに債務の保証人になる訳ではないけれど、なんてツッコミは野暮ですよね。かおりの、すごく、遠回しで探り探りなプロポーズ。対等でないとだめだと拒む浩二。浩二の反応にいちいち律儀に悲しそうな顔するかおり可愛い。

浩二「週末、実家に戻るぞ。二人して。そこで詳しく教えてやる」
かおり「………」
浩二「ヒントはだなぁ…最初がプ」
かおり「あああ言うな!変な期待持たせるな!」

ここで観客(?)の拍手が聞こえてくるのが良い。アメリカンで大変良いww浩二からのプロポーズ予告に思わず涙ぐむかおり。この人、浩二が絡むと弱いなぁ。。。



かおりルートは、ちょっとした弾みで生じてしまった関係をどう処理するか―無かったことにするのか、未来へ向けて発展させていくのか―っていうベタな筋なんですけど、秋月かおりっていう個性的なキャラクターがそこに配置されたからぐっと物語が面白くなった気がします。

ふらふらしつつも器用に世の中渡っていくタイプのかおりが、浩二と深く関わったせいで「らしく」なくなっていく様子は微笑ましいですし、「これはどういう気持ちなんだろう」と考えさせられることもありました。浮かれて浩二との同棲準備を進めてたってのは驚かされましたし、あぁ、かおりは可愛いなとも思いました。

浩二の側にもうちょっと葛藤があっても良かった気もするけど、自分が最低なことをしていると気付いた時にはかおりがぶっちぎって一位を独走していたというのは、リアルと言えばリアルなんだよね。


今日はここまで!
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名前:ロロ
20年くらい前に生まれて大学生をやっている。法律書を持って家と大学を行き来するのが日課。法律学よりは政治学の方が好き。男性向けエロゲーやったり、BL読んだり、野球見たり、料理したり、演劇したりするのが趣味。好きな作家は丸戸史明と門地かおり。ノルマンディー公の方のロロ。
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