~A lack of Magic Point~ エロゲーとか芝居とかについて書いていくブログ。
さ、瑠璃編後半です。
菊永家の面々は樹ヶ丘の住民に負けず劣らずの個性を発揮します。
第7話「崩壊な菊永一家」
どう考えても怪しいキャッチセールスに引っかかってる男性。おいおい、新キャラか?

一方の藤枝家。瑠璃のもとに役所から編入手続きのための書類が届く。藤枝家の実印を勝手に探して出して勝手に押して役所に出しく行く瑠璃。強いなぁ。ますます強くなったなぁ。
瑠璃「今まで、色々と意地悪なことしちゃって、ごめんなさい」
瑠璃「お金で物事を解決しようとしたり、情報操作で内輪もめを起こさせたり、瑠璃、素直じゃなかったよね?」
涼子「瑠璃ちゃんが謝ってる…?ど、どうしよう小雪ちゃん」

瑠璃「瑠璃、やっとわかったんだ。大事なのは許しあうことなんだって…」
浩二を手に入れて余裕が出来たのか急に心が広くなる瑠璃。いや、広くなっても歪んでるもんは歪んでるんですけどねww
あ、あのキャッチセールスに引っかかってたのは菊永雅也というらしい。つまり、昭の父とは腹違いの叔父貴の愛人が叔父貴に内緒で生んだ女の子の六番目の旦那さんということになるね。面倒臭いww
浩二と瑠璃、二人で夕食。夜の公園でマクドウェルのハンバーガー。どうやら浩二と瑠璃の関係は周囲に秘密らしい。
浩二「て言うかさ、晩飯時に二人ともいない方が、余計な疑いをかけられると思うんだけど…」
瑠璃「それが狙いなんじゃない」
当然、浩二としては主に涼子対して後ろめたさがあるから瑠璃との関係をついつい隠してしまう訳で、瑠璃としてはそれが面白くないわけで。
瑠璃「いいの、気にしてないから。瑠璃は日陰女だから」
日陰女ってダメ恋の夏夜も言ってたなぁ。かおりと違って瑠璃はそもそもの目的が浩二と恋仲になることだった訳で「五号から本妻を目指す」と言うと語弊があるが、要はそういう方向性。
瑠璃「瑠璃ね、今、すっごく幸せなんだ…だからね、お兄ちゃんのちょっとした不義理なんて、あんまり気にならないの」


どちらも瑠璃の偽らざる本心。
夜の藤枝家に来客。何だか怪しい見た目と妙に丁寧な物腰がミスマッチで、どう考えても悪徳商法に引っ掛かった荷物を抱えている菊永雅也。瑠璃の父。
そういえば、瑠璃は父親に虐待されたという言い訳で樹ヶ丘にやってきたのだった。警戒する住民たち。実際は虐待父などではない雅也の運命やいかに…。
一方の浩二と瑠璃は公園でべたべたちゅっちゅして、それに飽きたらずオナニーの見せ合いから始まって結局本番へ。それどころではないのだぞ、お前らwwエッチの時だけ妙に従順な瑠璃。
瑠璃「んみゅぅ…」
浩二「妙な擬音で喋るなみっともない。降ろすぞ」
瑠璃「や~、産むもん。いいもん、一人で育てるから~」
浩二に背負われて帰ってきた瑠璃。どうやら途中で眠ってしまったらしいが、寝言が物騒というか、何というか。いや、流石は桜木家の血。
瑠璃と雅也がついに遭遇。瑠璃曰く「昭おじさんばりの悪人に見える」ものの、全くのお人好しで見た目と中身が乖離している雅也。
雅也が英語教材を買ってしまったことを叱る瑠璃。ちょっと変則的ながら心温まる親子の会話。それをニヤニヤしながら眺める藤枝母娘。
瑠璃「ち、違うよ…この人頼りないから、瑠璃かお母さんのどっちかがついてないと、自分のスーツもろくに選べないんだから」

父娘愛でツンデレというのは新しいな。いや、古いゲームですけど。瑠璃は結構いい子なんですよ、意外と。

雅也に瑠璃の話をする「樹ヶ丘の母」涼子。しかし、最後の方で一瞬場が凍りついたぞ。怖いぞ、おい。で、雅也は瑠璃を連れ帰りに来たらしい。
瑠璃「お兄ちゃん!何とか言ってよ!」
浩二「え?え?俺!?」
瑠璃「何よそれ!たった今まで瑠璃のこと可愛がっ」
浩二「や~可愛いなぁ可愛いなぁお人形さんみたいだ~!」
一瞬どころでなく凍る場。かおりもクリスも小雪も涼子も冷たい目で浩二を見る。笑うしかない浩二。
で、瑠璃の母美和子は菊永家を出て行ってしまったらしい。技術的には生活能力があるものの、究極のお人好しである雅也が一人で生きるには現代社会は厳しすぎる。そういう訳で瑠璃を呼び戻しに来たわけです。
涼子「い、いえ、これはね、どこにも含むところのない、純粋な一意見として聞き流してもらえればいいんだけど」
瑠璃「はい次の方、意見ありませんか?」
涼子「聞いてよ瑠璃ちゃん~」
涼子は「どこにも含むところのない、純粋な一意見」として、瑠璃は帰るべきだと思っている。浩二を取り返すのに好都合だからとか、そういうことは考えてないぞ!多分。
瑠璃自身も父親のために戻るべきだと思っていることを涼子は感じたから、その気持ちを大事にするべきだ、と。しかり、瑠璃と涼子の立場上、涼子から言われてそれを受け容れるのはハードルが高いよなぁ。

でも、瑠璃は優しい子なんですよ。いや、このセリフを残していくのはどうかと思うものの、父のために帰る選択をした瑠璃は優しい良い子だ。瑠璃の地元から樹ヶ丘まで電車で一時間半。そんなに浩二との距離が離れる訳ではないし、と思いきや…。

借金の保証人になって家財を失い、雅也の生まれ故郷の苫小牧に帰るという話でした。当然ながら態度を硬化させる瑠璃。小雪の部屋に立て篭もり。
翌朝。
立て篭もってから8時間。
雅也が背負った借金は3000万。金策に走り回ったものの、あと500万が工面できず、という話。取り敢えず、雅也は英語教材を返しに行くことに。
立て篭もってから14時間。
まだ出てこない瑠璃に一計を案じる涼子。
涼子「あら、浩くん…どうしたの?」
瑠璃「あ…」
涼子「ちょっ、ちょっと浩くん!?いきなりどうしたのよ?」
瑠璃「っ!?」
涼子「や、やだ、やめなさ………ん…」
瑠璃「ぬわぁっ!?」
涼子「ん…ん…あ、あぁ…だ、だめぇ…」
瑠璃「ちょっとぉ!一体何が起こってるのよぉ!?」
涼子「る…瑠璃ちゃんに…聞こえちゃ…んああっ」
瑠璃「こ、こらっ!人のものにさわるな~!」
涼子「浩くん………うん、わかった」
瑠璃「何がわかったっていうのよ~」
勿論、これは涼子の一人芝居。しかし、涼子にしては随分と気の利いた作戦だ。浩二を取られたことへの意趣返しも、ちょっと混じっているかも知れない。

涼子「今日のお昼ごはんがサンドイッチだってことがよ」
涼子「ほら、お皿ごとお部屋に持って行きなさい。食べ終わったら部屋の外に置いておくだけでいいから」
かおりの時にも書いたけれど、涼子は樹ヶ丘五階の母親な訳で、そうなったら当然、瑠璃にとっても母親であるからして、その優しさを瑠璃も享受することになるのだよ。
瑠璃「卑怯だよ。瑠璃が一番警戒してるポイントを突くなんて」
涼子「わたし、今の瑠璃ちゃんに恨まれるいわれはないんだけど」
瑠璃「しらばっくれても無駄だよ!お兄ちゃん、ずっと涼子のこと…」
涼子「で、今は?」
敗北を認める涼子と勝利に確信が持てない瑠璃。ショコラの翠ルートでは榊原と大介が似たような会話をしていたな。翠にとって榊原は既に過去好きだった人であって、では今は?という話。あれも良かった。
食事の次は入浴。瑠璃に風呂を勧める際の涼子の「子供じゃないんだから」に対して瑠璃が「大人だったらもうちょっと節度ある恋愛しなさいよっ!」という言い合いも良い。

そして、何より、涼子が「良い大人」で終わっていないのも良い。損な役回りだなぁ、涼子さん。
立て篭ってから19時間。
かおりとクリスの「天岩戸作戦」。要は宴会やって瑠璃を誘きだすっていう、それだけの話なんですけどね。

クリス「Operation天岩戸!named by me」
浩二「なんでクリスが日本神話を持ち出すんだ?」
クリス「No problemネ、日本国憲法第二十条ニハ信教ノ自由ガ~」
浩二「アメリカ人に日本国憲法を語られると何となく腹が立つのは俺だけか?」
まぁまぁ、固いこと仰らず。日本国憲法は帝国議会の議決によって成立しているんですよ?いや、その草案がどうやって作られたかは置いておいて。で、まぁ、取り敢えず飲むことに。
尿意を催した瑠璃。しかし部屋の外では宴会が続いている。地味だけど、実際とってもピンチ。

結局、宴会がお開きになるまで粘った瑠璃。手強いなぁ。明かりの消えている藤枝家居間で瑠璃が寝ていた浩二を踏んづけたせいで捕まることに。作戦成功?
瑠璃「『5年間忘れてた女の子』がまたいなくなったら…」
瑠璃「それでも、近くにいる『5年間ずっと好きだった女の人』を諦めるなんて、お兄ちゃんにできる?」
これをハッキリ突き付けられてしまうと、浩二としては何も言えなくなってしまう訳で。だって、まぁ、目の前から瑠璃が消えたら涼子の方に靡いてしまうよなぁ、正直な話。
という訳で、お父さんのアドバイスタイム。どのルートでもこの時の昭がやたらと格好良くて素敵なのです。今回はポーカーしながら。
昭「なあ浩二…お前、どこまで本気だ?」
浩二「何がよ?」
昭「どうしたら彼女と離れずに済むか、本気で考えたか?」
勿論、浩二は考えて、その具体的な方法も頭に浮かんでいる。けれど、それを昭に言う訳にはいかない。さて、その方法とは何でしょう?ヒントは北海道に行くことになった理由。
昭「いや…レイズだ。ほら」
浩二「…通帳?」
昭「500万ある。受けるか?」

雅也は3000万の借金を背負い、金策に走り回ったもののあと500万円が足らずに家を差し押さえられてしまった。つまり、500万あれば家を取り戻せる。浩二と瑠璃は一つ屋根の下とまではいかないが、電車で一時間半の場所で暮らしていける。
浩二「いや、それってさ…俺にとってあまりにも危険な賭けじゃないか?」
昭「女のために命も張れない男なんてインポも同じさ」

勿論、浩二を助けるつもりで昭は言っているのだが、子供を甘やかすだけが親ではないことを知っているから浩二が負けたらきっちり500万取り立てるつもりでもいる。そりゃそうだ。親から恵んでもらった金で女の子を助けるなんて男じゃない。そこに幾らかの温情が混ざっていようと勝ち取ったものでなくては。
浩二「………コール」
それでこそ、ですよ、桜木浩二。
最終話「500万円の女」
今朝樹ヶ丘の駅前で昔の部下の吉田君に偶然出会って500万円を援助してもらえることになった、という雅也の何とも怪しい話。

「将来に対する唯ぼんやりとした不安」というのは芥川龍之介が遺書に書いた一節。かおりルートでは「じっと手を見る」と石川啄木を引用してたし、かおりは意外と文学少女?
結局真相を話すことに。かおり曰く、瑠璃は浩二に「身請け」された訳だが、瑠璃自身としては納得が行かない様子で再度立て篭もり。そして今日も宴会に。コップ一杯でひどく酔ってしまった涼子。
涼子「やっぱりママには小雪ちゃんしかいないわぁ…」
その言葉に複雑な表情を浮かべる浩二。そりゃ、そうですよね。で、小雪の方も流石に何か察した様子で、浩二に問う。

「5年間ずっと好きだった人」と「古女房」は取り敢えず解決でしょうか。勿論、結構な苦味は伴ったものの。
さて、皆が寝静まった深夜。怪しい人影。

浩二の部屋に侵入する瑠璃。瑠璃は、浩二が出した500万のせいで二人が平等でなくなったと感じている。そりゃ、そうですよね。お金が絡んじゃうとね。
瑠璃「瑠璃はね…狙ってかけた迷惑なら気にしない。欲しかった好意は、遠慮なく受け取る。だって悪人だもん、詐欺師なんだもん」
浩二「おい…」
瑠璃「けれど、瑠璃の計算してない好意は我慢できない。しかもそれが………ターゲットだったらなおさらだよ」
浩二「ターゲットって………俺のこと、か?」
瑠璃「お兄ちゃんをオとすのが目的だった。だから、そのためには汚いことだって何でもした」
浩二「それでお前に何のメリットがあるんだよ?」
瑠璃「瑠璃の心が満たされる。」

浩二以外の全ての人が分かっていた通り、瑠璃の目的は浩二そのものだったわけですけれど、でも、浩二が手に入ったからと言って、全てそれで片付く訳でもなく。目的を選ばない瑠璃にも矜持があるから。
しかし、浩二は浩二で簡単に瑠璃を逃がすつもりもなく。「さよなら」を言わせない浩二。彼、普段はへたれてるけど、いざとなったら押せるタイプだよね。

浩二が「俺の気持ちを考えたことがあるのか」と問うけれど、勿論瑠璃は何度も考えていて、多分何度も涼子に敗北しているのだろうな、と思う。
浩二「いつでもお前を側に置いて、めちゃくちゃにいじめてやりたいって思ってる、俺の気持ち、少しでもわかってたかよ?」
瑠璃「そんなの嘘だ…お兄ちゃんは、瑠璃の誘惑に負けただけだ。そんなの、ただの浮気だよ」
浩二「反論なんて許してない…もう瑠璃は、俺の女だから、俺の気持ちのまま、好き勝手にやる」
言っても信じない瑠璃に対して、浩二は強引に気持ちを態度で示すことに。いざとなったら体で繋ぎ止めろ、とかおりルートで昭も言っていたしね。
浩二「今日から瑠璃は…俺の奴隷だ」
瑠璃「どれい…?るり、おにいちゃんの…どれい、なのぉ…?」
奴隷契約は民法90条の公序良俗違反に当たるから無効だと?野暮なこと言ってんじゃないよ!!(誰も言ってない お互いシラフじゃ好いた惚れたが言えない二人なので、何とも似つかわしい。まぁ、セックスの最中なら言えるんですけどね。
浩二「お前は…俺んだからな…」
瑠璃「瑠璃…瑠璃………しあわせ、だなぁ…」
浩二「幸せになれ…してやるから。俺の、瑠璃…」
抱き合って眠る二人。それでも、浩二の元を離れていく瑠璃。この前とは違って荷物も全て持って出て。『ごめんなさい。さよなら』の書き置きだけを残して。
一週間後、浩二の口座に振り込まれる500万。なんかつくづくきっちりしてるなぁ、瑠璃は。
で、初登場の美和子。どうやら雅也が瑠璃を追って樹ヶ丘に来たのは美和子の差金だったようだ。借金返済の目処も立ったから瑠璃の為に戻ってきて欲しいと説得する雅也。珍しくちゃんと父親っぽい。
菊永母「あははは…あはははっ・・・ほ、本当にあなたって…」
菊永母「情けなくって、お人好しで~、人を信じすぎるひとねぇ…ふふ、あはは…」
雅也を利用している模様の美和子。あ、悪どい。流石は桜木家の血縁。瑠璃の母親。しかし、美和子が雅也から預かった預金通帳500万入っているはずなのに、何故か残高不足。
菊永母「ノーマークだったわ。塞ぎ込んでるってのはブラフだったって訳?」

勿論、雅也と美和子を出し抜いて500万を手にしたのは瑠璃。この顔wwこの顔wwヒロインとは思えないww
架空の借金を夫に信じこませて、金策に走らせるという手口は美和子の常套手段らしい。人の良い雅也や樹ヶ丘の面々は騙せても、瑠璃は騙せない。
瑠璃「今のあんたに、瑠璃の結婚式に出席されるくらいなら、大人しく捕まっておいてもらった方がいいからね」
警察に行くか、雅也のところに戻るか二つに一つを迫る瑠璃。そうなのだ。瑠璃は結婚するつもりなのだ。桜木家にお嫁に行くのだ。菊永家のゴタゴタを全て片付けてから。
瑠璃「瑠璃はもう、身も心もお兄ちゃんの奴隷だから♪」
瑠璃「500万で、菊永家からお兄ちゃんが身請けしたの。だから瑠璃は、お兄ちゃんだけのモノになった」
で、取り返した500万は瑠璃が浩二に「貢ぐ」のだという。愛に目覚めた瑠璃は強い。流石の美和子も敵わない。
今日から新学期。相変わらず浩二は腐っていて、その様子を見て小雪は辛い気持ちになっていて、思わず目が潤んでしまったりして。
小雪「だからって辛そうにしないでよ。こっちの身にもなれって…」
浩二「小雪」
???「やっぱり、油断も隙もあったもんじゃない」
???「一週間いなくなっただけで、もうアプローチかかってるんだもん」
樹ヶ丘に響く、まさかまさかの大合唱。

感動の再会も、ただの感動に出来ないのは瑠璃の愛すべき美点ですね。
子供の頃の約束と今の恋人との間の板挟み。親と彼氏とどっちを取るか。愛の為に金が要るけど金で傷つく愛もある。最後は瑠璃の鮮やかな策略で巨悪(笑)を出し抜いて瑠璃が帰ってくる。
どれも割とベタなんですけど、それらのエピソードがきっちりと結びついてスムーズに流れていく。メリハリの効いた瑠璃のキャラクターと相俟って、良いシナリオになっていたと思います。お見事。
菊永家の面々は樹ヶ丘の住民に負けず劣らずの個性を発揮します。
第7話「崩壊な菊永一家」
どう考えても怪しいキャッチセールスに引っかかってる男性。おいおい、新キャラか?
一方の藤枝家。瑠璃のもとに役所から編入手続きのための書類が届く。藤枝家の実印を勝手に探して出して勝手に押して役所に出しく行く瑠璃。強いなぁ。ますます強くなったなぁ。
瑠璃「今まで、色々と意地悪なことしちゃって、ごめんなさい」
瑠璃「お金で物事を解決しようとしたり、情報操作で内輪もめを起こさせたり、瑠璃、素直じゃなかったよね?」
涼子「瑠璃ちゃんが謝ってる…?ど、どうしよう小雪ちゃん」
瑠璃「瑠璃、やっとわかったんだ。大事なのは許しあうことなんだって…」
浩二を手に入れて余裕が出来たのか急に心が広くなる瑠璃。いや、広くなっても歪んでるもんは歪んでるんですけどねww
あ、あのキャッチセールスに引っかかってたのは菊永雅也というらしい。つまり、昭の父とは腹違いの叔父貴の愛人が叔父貴に内緒で生んだ女の子の六番目の旦那さんということになるね。面倒臭いww
浩二と瑠璃、二人で夕食。夜の公園でマクドウェルのハンバーガー。どうやら浩二と瑠璃の関係は周囲に秘密らしい。
浩二「て言うかさ、晩飯時に二人ともいない方が、余計な疑いをかけられると思うんだけど…」
瑠璃「それが狙いなんじゃない」
当然、浩二としては主に涼子対して後ろめたさがあるから瑠璃との関係をついつい隠してしまう訳で、瑠璃としてはそれが面白くないわけで。
瑠璃「いいの、気にしてないから。瑠璃は日陰女だから」
日陰女ってダメ恋の夏夜も言ってたなぁ。かおりと違って瑠璃はそもそもの目的が浩二と恋仲になることだった訳で「五号から本妻を目指す」と言うと語弊があるが、要はそういう方向性。
瑠璃「瑠璃ね、今、すっごく幸せなんだ…だからね、お兄ちゃんのちょっとした不義理なんて、あんまり気にならないの」
どちらも瑠璃の偽らざる本心。
夜の藤枝家に来客。何だか怪しい見た目と妙に丁寧な物腰がミスマッチで、どう考えても悪徳商法に引っ掛かった荷物を抱えている菊永雅也。瑠璃の父。
そういえば、瑠璃は父親に虐待されたという言い訳で樹ヶ丘にやってきたのだった。警戒する住民たち。実際は虐待父などではない雅也の運命やいかに…。
一方の浩二と瑠璃は公園でべたべたちゅっちゅして、それに飽きたらずオナニーの見せ合いから始まって結局本番へ。それどころではないのだぞ、お前らwwエッチの時だけ妙に従順な瑠璃。
瑠璃「んみゅぅ…」
浩二「妙な擬音で喋るなみっともない。降ろすぞ」
瑠璃「や~、産むもん。いいもん、一人で育てるから~」
浩二に背負われて帰ってきた瑠璃。どうやら途中で眠ってしまったらしいが、寝言が物騒というか、何というか。いや、流石は桜木家の血。
瑠璃と雅也がついに遭遇。瑠璃曰く「昭おじさんばりの悪人に見える」ものの、全くのお人好しで見た目と中身が乖離している雅也。
雅也が英語教材を買ってしまったことを叱る瑠璃。ちょっと変則的ながら心温まる親子の会話。それをニヤニヤしながら眺める藤枝母娘。
瑠璃「ち、違うよ…この人頼りないから、瑠璃かお母さんのどっちかがついてないと、自分のスーツもろくに選べないんだから」
父娘愛でツンデレというのは新しいな。いや、古いゲームですけど。瑠璃は結構いい子なんですよ、意外と。
雅也に瑠璃の話をする「樹ヶ丘の母」涼子。しかし、最後の方で一瞬場が凍りついたぞ。怖いぞ、おい。で、雅也は瑠璃を連れ帰りに来たらしい。
瑠璃「お兄ちゃん!何とか言ってよ!」
浩二「え?え?俺!?」
瑠璃「何よそれ!たった今まで瑠璃のこと可愛がっ」
浩二「や~可愛いなぁ可愛いなぁお人形さんみたいだ~!」
一瞬どころでなく凍る場。かおりもクリスも小雪も涼子も冷たい目で浩二を見る。笑うしかない浩二。
で、瑠璃の母美和子は菊永家を出て行ってしまったらしい。技術的には生活能力があるものの、究極のお人好しである雅也が一人で生きるには現代社会は厳しすぎる。そういう訳で瑠璃を呼び戻しに来たわけです。
涼子「い、いえ、これはね、どこにも含むところのない、純粋な一意見として聞き流してもらえればいいんだけど」
瑠璃「はい次の方、意見ありませんか?」
涼子「聞いてよ瑠璃ちゃん~」
涼子は「どこにも含むところのない、純粋な一意見」として、瑠璃は帰るべきだと思っている。浩二を取り返すのに好都合だからとか、そういうことは考えてないぞ!多分。
瑠璃自身も父親のために戻るべきだと思っていることを涼子は感じたから、その気持ちを大事にするべきだ、と。しかり、瑠璃と涼子の立場上、涼子から言われてそれを受け容れるのはハードルが高いよなぁ。
でも、瑠璃は優しい子なんですよ。いや、このセリフを残していくのはどうかと思うものの、父のために帰る選択をした瑠璃は優しい良い子だ。瑠璃の地元から樹ヶ丘まで電車で一時間半。そんなに浩二との距離が離れる訳ではないし、と思いきや…。
借金の保証人になって家財を失い、雅也の生まれ故郷の苫小牧に帰るという話でした。当然ながら態度を硬化させる瑠璃。小雪の部屋に立て篭もり。
翌朝。
立て篭もってから8時間。
雅也が背負った借金は3000万。金策に走り回ったものの、あと500万が工面できず、という話。取り敢えず、雅也は英語教材を返しに行くことに。
立て篭もってから14時間。
まだ出てこない瑠璃に一計を案じる涼子。
涼子「あら、浩くん…どうしたの?」
瑠璃「あ…」
涼子「ちょっ、ちょっと浩くん!?いきなりどうしたのよ?」
瑠璃「っ!?」
涼子「や、やだ、やめなさ………ん…」
瑠璃「ぬわぁっ!?」
涼子「ん…ん…あ、あぁ…だ、だめぇ…」
瑠璃「ちょっとぉ!一体何が起こってるのよぉ!?」
涼子「る…瑠璃ちゃんに…聞こえちゃ…んああっ」
瑠璃「こ、こらっ!人のものにさわるな~!」
涼子「浩くん………うん、わかった」
瑠璃「何がわかったっていうのよ~」
勿論、これは涼子の一人芝居。しかし、涼子にしては随分と気の利いた作戦だ。浩二を取られたことへの意趣返しも、ちょっと混じっているかも知れない。
涼子「今日のお昼ごはんがサンドイッチだってことがよ」
涼子「ほら、お皿ごとお部屋に持って行きなさい。食べ終わったら部屋の外に置いておくだけでいいから」
かおりの時にも書いたけれど、涼子は樹ヶ丘五階の母親な訳で、そうなったら当然、瑠璃にとっても母親であるからして、その優しさを瑠璃も享受することになるのだよ。
瑠璃「卑怯だよ。瑠璃が一番警戒してるポイントを突くなんて」
涼子「わたし、今の瑠璃ちゃんに恨まれるいわれはないんだけど」
瑠璃「しらばっくれても無駄だよ!お兄ちゃん、ずっと涼子のこと…」
涼子「で、今は?」
敗北を認める涼子と勝利に確信が持てない瑠璃。ショコラの翠ルートでは榊原と大介が似たような会話をしていたな。翠にとって榊原は既に過去好きだった人であって、では今は?という話。あれも良かった。
食事の次は入浴。瑠璃に風呂を勧める際の涼子の「子供じゃないんだから」に対して瑠璃が「大人だったらもうちょっと節度ある恋愛しなさいよっ!」という言い合いも良い。
そして、何より、涼子が「良い大人」で終わっていないのも良い。損な役回りだなぁ、涼子さん。
立て篭ってから19時間。
かおりとクリスの「天岩戸作戦」。要は宴会やって瑠璃を誘きだすっていう、それだけの話なんですけどね。
クリス「Operation天岩戸!named by me」
浩二「なんでクリスが日本神話を持ち出すんだ?」
クリス「No problemネ、日本国憲法第二十条ニハ信教ノ自由ガ~」
浩二「アメリカ人に日本国憲法を語られると何となく腹が立つのは俺だけか?」
まぁまぁ、固いこと仰らず。日本国憲法は帝国議会の議決によって成立しているんですよ?いや、その草案がどうやって作られたかは置いておいて。で、まぁ、取り敢えず飲むことに。
尿意を催した瑠璃。しかし部屋の外では宴会が続いている。地味だけど、実際とってもピンチ。
結局、宴会がお開きになるまで粘った瑠璃。手強いなぁ。明かりの消えている藤枝家居間で瑠璃が寝ていた浩二を踏んづけたせいで捕まることに。作戦成功?
瑠璃「『5年間忘れてた女の子』がまたいなくなったら…」
瑠璃「それでも、近くにいる『5年間ずっと好きだった女の人』を諦めるなんて、お兄ちゃんにできる?」
これをハッキリ突き付けられてしまうと、浩二としては何も言えなくなってしまう訳で。だって、まぁ、目の前から瑠璃が消えたら涼子の方に靡いてしまうよなぁ、正直な話。
という訳で、お父さんのアドバイスタイム。どのルートでもこの時の昭がやたらと格好良くて素敵なのです。今回はポーカーしながら。
昭「なあ浩二…お前、どこまで本気だ?」
浩二「何がよ?」
昭「どうしたら彼女と離れずに済むか、本気で考えたか?」
勿論、浩二は考えて、その具体的な方法も頭に浮かんでいる。けれど、それを昭に言う訳にはいかない。さて、その方法とは何でしょう?ヒントは北海道に行くことになった理由。
昭「いや…レイズだ。ほら」
浩二「…通帳?」
昭「500万ある。受けるか?」
雅也は3000万の借金を背負い、金策に走り回ったもののあと500万円が足らずに家を差し押さえられてしまった。つまり、500万あれば家を取り戻せる。浩二と瑠璃は一つ屋根の下とまではいかないが、電車で一時間半の場所で暮らしていける。
浩二「いや、それってさ…俺にとってあまりにも危険な賭けじゃないか?」
昭「女のために命も張れない男なんてインポも同じさ」
勿論、浩二を助けるつもりで昭は言っているのだが、子供を甘やかすだけが親ではないことを知っているから浩二が負けたらきっちり500万取り立てるつもりでもいる。そりゃそうだ。親から恵んでもらった金で女の子を助けるなんて男じゃない。そこに幾らかの温情が混ざっていようと勝ち取ったものでなくては。
浩二「………コール」
それでこそ、ですよ、桜木浩二。
最終話「500万円の女」
今朝樹ヶ丘の駅前で昔の部下の吉田君に偶然出会って500万円を援助してもらえることになった、という雅也の何とも怪しい話。
「将来に対する唯ぼんやりとした不安」というのは芥川龍之介が遺書に書いた一節。かおりルートでは「じっと手を見る」と石川啄木を引用してたし、かおりは意外と文学少女?
結局真相を話すことに。かおり曰く、瑠璃は浩二に「身請け」された訳だが、瑠璃自身としては納得が行かない様子で再度立て篭もり。そして今日も宴会に。コップ一杯でひどく酔ってしまった涼子。
涼子「やっぱりママには小雪ちゃんしかいないわぁ…」
その言葉に複雑な表情を浮かべる浩二。そりゃ、そうですよね。で、小雪の方も流石に何か察した様子で、浩二に問う。
「5年間ずっと好きだった人」と「古女房」は取り敢えず解決でしょうか。勿論、結構な苦味は伴ったものの。
さて、皆が寝静まった深夜。怪しい人影。
浩二の部屋に侵入する瑠璃。瑠璃は、浩二が出した500万のせいで二人が平等でなくなったと感じている。そりゃ、そうですよね。お金が絡んじゃうとね。
瑠璃「瑠璃はね…狙ってかけた迷惑なら気にしない。欲しかった好意は、遠慮なく受け取る。だって悪人だもん、詐欺師なんだもん」
浩二「おい…」
瑠璃「けれど、瑠璃の計算してない好意は我慢できない。しかもそれが………ターゲットだったらなおさらだよ」
浩二「ターゲットって………俺のこと、か?」
瑠璃「お兄ちゃんをオとすのが目的だった。だから、そのためには汚いことだって何でもした」
浩二「それでお前に何のメリットがあるんだよ?」
瑠璃「瑠璃の心が満たされる。」
浩二以外の全ての人が分かっていた通り、瑠璃の目的は浩二そのものだったわけですけれど、でも、浩二が手に入ったからと言って、全てそれで片付く訳でもなく。目的を選ばない瑠璃にも矜持があるから。
しかし、浩二は浩二で簡単に瑠璃を逃がすつもりもなく。「さよなら」を言わせない浩二。彼、普段はへたれてるけど、いざとなったら押せるタイプだよね。
浩二が「俺の気持ちを考えたことがあるのか」と問うけれど、勿論瑠璃は何度も考えていて、多分何度も涼子に敗北しているのだろうな、と思う。
浩二「いつでもお前を側に置いて、めちゃくちゃにいじめてやりたいって思ってる、俺の気持ち、少しでもわかってたかよ?」
瑠璃「そんなの嘘だ…お兄ちゃんは、瑠璃の誘惑に負けただけだ。そんなの、ただの浮気だよ」
浩二「反論なんて許してない…もう瑠璃は、俺の女だから、俺の気持ちのまま、好き勝手にやる」
言っても信じない瑠璃に対して、浩二は強引に気持ちを態度で示すことに。いざとなったら体で繋ぎ止めろ、とかおりルートで昭も言っていたしね。
浩二「今日から瑠璃は…俺の奴隷だ」
瑠璃「どれい…?るり、おにいちゃんの…どれい、なのぉ…?」
奴隷契約は民法90条の公序良俗違反に当たるから無効だと?野暮なこと言ってんじゃないよ!!(誰も言ってない お互いシラフじゃ好いた惚れたが言えない二人なので、何とも似つかわしい。まぁ、セックスの最中なら言えるんですけどね。
浩二「お前は…俺んだからな…」
瑠璃「瑠璃…瑠璃………しあわせ、だなぁ…」
浩二「幸せになれ…してやるから。俺の、瑠璃…」
抱き合って眠る二人。それでも、浩二の元を離れていく瑠璃。この前とは違って荷物も全て持って出て。『ごめんなさい。さよなら』の書き置きだけを残して。
一週間後、浩二の口座に振り込まれる500万。なんかつくづくきっちりしてるなぁ、瑠璃は。
で、初登場の美和子。どうやら雅也が瑠璃を追って樹ヶ丘に来たのは美和子の差金だったようだ。借金返済の目処も立ったから瑠璃の為に戻ってきて欲しいと説得する雅也。珍しくちゃんと父親っぽい。
菊永母「あははは…あはははっ・・・ほ、本当にあなたって…」
菊永母「情けなくって、お人好しで~、人を信じすぎるひとねぇ…ふふ、あはは…」
雅也を利用している模様の美和子。あ、悪どい。流石は桜木家の血縁。瑠璃の母親。しかし、美和子が雅也から預かった預金通帳500万入っているはずなのに、何故か残高不足。
菊永母「ノーマークだったわ。塞ぎ込んでるってのはブラフだったって訳?」
勿論、雅也と美和子を出し抜いて500万を手にしたのは瑠璃。この顔wwこの顔wwヒロインとは思えないww
架空の借金を夫に信じこませて、金策に走らせるという手口は美和子の常套手段らしい。人の良い雅也や樹ヶ丘の面々は騙せても、瑠璃は騙せない。
瑠璃「今のあんたに、瑠璃の結婚式に出席されるくらいなら、大人しく捕まっておいてもらった方がいいからね」
警察に行くか、雅也のところに戻るか二つに一つを迫る瑠璃。そうなのだ。瑠璃は結婚するつもりなのだ。桜木家にお嫁に行くのだ。菊永家のゴタゴタを全て片付けてから。
瑠璃「瑠璃はもう、身も心もお兄ちゃんの奴隷だから♪」
瑠璃「500万で、菊永家からお兄ちゃんが身請けしたの。だから瑠璃は、お兄ちゃんだけのモノになった」
で、取り返した500万は瑠璃が浩二に「貢ぐ」のだという。愛に目覚めた瑠璃は強い。流石の美和子も敵わない。
今日から新学期。相変わらず浩二は腐っていて、その様子を見て小雪は辛い気持ちになっていて、思わず目が潤んでしまったりして。
小雪「だからって辛そうにしないでよ。こっちの身にもなれって…」
浩二「小雪」
???「やっぱり、油断も隙もあったもんじゃない」
???「一週間いなくなっただけで、もうアプローチかかってるんだもん」
樹ヶ丘に響く、まさかまさかの大合唱。
感動の再会も、ただの感動に出来ないのは瑠璃の愛すべき美点ですね。
子供の頃の約束と今の恋人との間の板挟み。親と彼氏とどっちを取るか。愛の為に金が要るけど金で傷つく愛もある。最後は瑠璃の鮮やかな策略で巨悪(笑)を出し抜いて瑠璃が帰ってくる。
どれも割とベタなんですけど、それらのエピソードがきっちりと結びついてスムーズに流れていく。メリハリの効いた瑠璃のキャラクターと相俟って、良いシナリオになっていたと思います。お見事。
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