~A lack of Magic Point~ エロゲーとか芝居とかについて書いていくブログ。
今日は瑠璃編をお送りします。
この日記を書くまではそこそこの好感度だったんですが、細かく見ていくうちにどんどん好きになってしまいました。いや、良く出来てるシナリオに良く出来てるキャラクターなんですよ。しかも、小雪ルートでの小雪との友情ぶりもグッと来るものがあるし。。。
と言う訳で、今日は瑠璃編のルート確定までをお送りします。瑠璃が嫌いだった方も、よくよく見ると可愛げに気付くかも知れませんよ。ちょっと長いんですが、お付き合い下さいませ。
第1話「ファミリー・555」
第2話「アメリカンフィアンセ」
第3話「Dear my sinister」
買い物帰りの涼子を待って、一緒に帰る浩二。そこに女の子の叫び声。何だか嫌な予感がする浩二。察知出来ても回避出来ないんじゃ倍怖いだけだなww

ちょっとナンパされたのを利用して浩二との五年ぶりの「運命の再会」を果たした瑠璃。とばっちりを食らった男二人がちょっと気の毒。

獲物を捕獲した瑠璃。その顔、暗黒面が駄々漏れやぞ、おいww
瑠璃は昭曰く「僕の父とは腹違いの叔父貴の愛人が叔父貴に内緒で生んだ女の子が、三番目の旦那さんとの間に授かった子」とのこと。意味が分からないよww
他の人間がいる時の猫かぶりから一転、尊大な態度で浩二をこき使う瑠璃。以下、明確な力関係の図。瑠璃曰く浩二は『奴隷』なのだとか。

五年前、転居先を告げずに瑠璃の元を離れた浩二。その理由というのを端的に表すのが以下。

ミドルティーンの少年にこの仕打ちとは…。
瑠璃が樹ヶ丘に現れた表向きの理由は、母親の再婚相手(ちなみに六番目の夫)からの虐待だということなのだが、勿論それは嘘。さて、瑠璃の本当の目的は?

浩二は写真で弱みを握られているらしい。何ですかね。
瑠璃の情報収集
浩二にその気はないとは言っても許嫁のクリスはランクA。薄着で歩き回る隣のお姉さんかおりはランクB。
瑠璃「あの…もう寝ちゃいました?」
小雪「ん?まだ起きてるけど、なに?」
瑠璃「その…それで小雪さんは…お兄ちゃんのこと、どう思ってるんですか?」
小雪「んなっ!?」
瑠璃「………」
小雪「あ、あたしはぁ…あんなヤツのこと、別に、そんな、ねえ?」
瑠璃「………」
小雪「あ、あは、あはははは…だからほら、ねえ?なんてゆ~か、全然…」
瑠璃「…A+」
世話焼きでしっかり者で単細胞気味な幼馴染はA+の高評価を受けました。良いぞ小雪wwしかし、丸戸は妹キャラはショコラの鈴、パルフェの明日香と結構計算高いのが多いな。意図的に「健気で可愛い妹」のステレオタイプからズラしてきてる感じがする。
皆が瑠璃にコロッと騙されている現状で、一人だけ瑠璃と距離を取り合っているかおり。知恵者同士牽制しているようだ。その存在が浩二としては頼もしい。
瑠璃の目的は、浩二を自分の地元に呼び戻すこと。浩二を成海大学へ進学させて、自分は成海大学付属へという計画。
瑠璃「言ったでしょ?骨の髄までしゃぶり尽くしてあげるって…奴隷に、復職させてあげる…ふふっ」
浩二「な…なにぃっ!?」
瑠璃「そういうわけで、はい赤本。願書は後で送るから」
恐ろしいまでに準備が良い瑠璃。しかし、瑠璃が本屋で大学の赤本買ってる様子を想像するとちょっと笑えるよね。まだ三年は先でしょ?
瑠璃「成海大に行かなかったら、瑠璃の僕になれないかもしれないんだよ?それでもいいの?」
浩二「それ素で言ってるらしいのがお前の怖いところだ」
瑠璃「どうしても、首を縦に振ってくれないの?」
浩二「ごめん…今は、まだ」
瑠璃「あ、お兄ちゃん足元に100円玉が。ほら下見て見て」
浩二「せこいぞ瑠璃」
瑠璃「ちっ…500円玉にすべきだったわ」
そういう問題ではない。策略家の瑠璃にしては安っぽい手だ。いや、冗談だろうけど。
浩二「もしかしたら大学行かずに就職するかも。いや、けどそう言ったらきっと余計な心配されるしなぁ…」
瑠璃「は?」
浩二「でもまぁ、年齢的にあまり待たす訳にも…」
瑠璃「お兄ちゃん?」
浩二「俺にもかおりさんみたいな才能あればなぁ…大学行きながらでも養って…」
浩二「いや、それでもあっちの方が圧倒的に稼ぎがいいし…」
瑠璃「ちょっとぉ?」
浩二「しかも向こうには扶養家族が…って、ちょっと待て!そうなると俺あいつの親父!?」
瑠璃「あいつって誰?」
浩二「そりゃお前、こ………瑠璃っ!?お前いつの間にここにいた?」
瑠璃「…お兄ちゃん、しばらく見ない間にかなり愉快になった?」
長い引用になってしまった。浩二は樹ヶ丘に残りたい訳で、その理由は間違いなく涼子なんだけど、それがはっきり言えるはずもなく。
で、思ったよりあっさりと退いた瑠璃。説得ではなく「浩二を樹ヶ丘にいられなくさせる作戦」に切り替え。その1、下着泥棒濡れ衣作戦。

小雪って合同家族会議好きだよね。昭直伝の舌先三寸で状況を好転させる浩二。そこにかおりと連携した涼子の助け舟。と言うことで作戦失敗。かおりが浩二の側についてくれるのは大きいな。
その夜。涼子と浩二のベランダ密会。で、キスしてるところを見られた結果、瑠璃の査定で涼子はランクSに。流石はメインヒロインだぜ!
続きまして夜這い作戦。

瑠璃「お兄ちゃんは悪くないの。瑠璃が、お兄ちゃんに無理言って抱いてもらってたの」
浩二「今度はそう来たかっ!」
小雪「え…え…ええっ!?」
瑠璃「ごめんなさい小雪さん。実は、小雪さんが眠ってからお部屋を抜け出して、ここに来てたの…毎晩」
小雪「毎晩………毎晩………」
瑠璃「お兄ちゃんが『やっぱり若い子はいい』って…だから瑠璃、嬉しくて嬉しくて…ごめんなさいっ」
クールに怒る涼子に対して火に油を注ぐ一言。涼子にびんたを貰ってしまう浩二。まぁ、桜木家の男にとっては勲章のようなものでして。
翌日の夜。
このマンションは桜木父子が経営する巨大な娼館だったのだ!というホラ話を聞かせ、瑠璃のせいで計画が潰れてしまったから落とし前を…と迫る浩二。かおりもグル。
この茶番劇で浩二はどうにか難を逃れるものの、瑠璃の奴隷からかおりの使い魔に。これって身分的にはマシになったのかな。
作戦が失敗に終わり、瑠璃が本性を表すも一旦引くと宣言。何故か切り札の写真を使おうとしない。

かおり「そんな切り札、何があったって、出す訳ないでしょ?」
浩二「…へ?」
かおり「なんたって、宝物なんだし」
図星を突かれたか、狼狽する瑠璃。かおりの万能キャラぶりは異常。ちなみに、その宝物の写真がこちら。これがお話にもうちょっと絡んできたらもっと良かったなぁ。

小雪「ああもうっ!あの可愛かった瑠璃ちゃんは一体ドコに行っちゃったのよ~」
瑠璃「あの時はいつ窒息死するかと思ってたよ~まぁ、簡単に騙されてくれたからちょっとは楽だったけど」
作戦が失敗に終わった瑠璃ですが、何故か藤枝家の居候として残ることに。え、マジでww
第4話「こちらオータームーン出版社」
瑠璃の支配から脱したものの、かおりのアシスタントになって扱き使われる浩二。かおりが手を火傷したため、かおりが喋ったのを浩二が打ち込むという執筆風景。出版社との調整まで浩二がやっている。
小雪「誰かさんに被らされた無実の罪を晴らすために仕方なく契約を結んだとかなんとか」
瑠璃「性根の腐った奴もいるもんだね」
小雪「あたしの目の前にね…」
瑠璃「家族同然のクリスに向かってなんて酷いこと…涼子さん、小雪の育て方間違えてない?」
涼子「は、はぁ…?」
小雪「あたしはあんたの親にこそその言葉をワゴン価格で進呈したいわよ!」
で、かおりを除く樹ヶ丘5階女性陣会議。かおりが浩二を独占している状態に異議を唱えたいらしい。瑠璃曰く「年の功」とか何とかでかおりの前に押し出される涼子。瑠璃の腹話術人形状態。
瑠璃「だからと言って、あなたが浩くんを好きにしていいっていうの?」
涼子「だ、だからと言って、あなたが浩くんを好きにしていいっていうの?」
瑠璃「大体あなた、浩くんのなんなの?いつも裸同然の格好で彼の前をうろついて。それって誘惑しているつもりなわけ?」
涼子「だ、大体あなた、浩くんのなんなの?いつも裸同然の格好で彼の前をうろついて。それって誘惑しているつもりなわけ?」
瑠璃「目障りなのよあなた。もう彼の前に姿を現さないで頂戴。わたしのお腹の中には彼の赤ん坊がいるのよっ!」
涼子「め、目障りなのよあなた。もう彼の前に姿を現さないで頂戴。わたしのお腹の中には…っていやだぁぁぁっ!?」

場を引っ掻き回してるなぁ、瑠璃。かおりも賢いけど面倒臭がりだから態度は受動的なんだよね。その点、瑠璃は自分からどんどん動いてく方だから。
かおりの引越し計画発覚。緊急家族会議。今日まで誰も知らなかったことにショックを受けるフローリアス樹ヶ丘五階の面々。かおりが引っ越す理由は両親が日本に帰ってくるけど一人暮らしをしたいから、だとか。
瑠璃「…両親いたんだ。てっきりその辺から生えてきたんだと思ってた」
クリス「…確かにカオリは行動範囲がplant並ですカラね」
瑠璃「高校通ってたんだ制服姿のかおりって想像できない…」
小雪「う~ん…それについては、実はあたしも」
クリス「…確かにカオリは服装がplant並ですカラね」

瑠璃が困り顔をするレベルです。このナチュラルに失礼な感じ良いな。かおりの親御さんを見てみたいよね。どう育てたらこういう賢くて自由なお子さんが育つのか。
朝早く部屋から姿を消していたかおり。絶望的に朝弱いかおりが8時半に家にいないなど余程のことである。出て行ってしまったのか?と疑う面々。
クリス「No…荷物は置きっ放しデス。それにカオリハ、どこぞノrunaway girlトハ違いマス」
小雪「そ、そうね、かおりさんに限って、そんな短絡的で愚かで邪悪な考えを持つはずが…」
瑠璃「お兄ちゃん、瑠璃、ここでの扱いに不満があるよ!」
浩二「死ぬほど心当たりがあるくせに文句言うな」
クリスや小雪がどんどん瑠璃に対して遠慮がなくなっていくのが面白い。そして、堂々と不満を述べる瑠璃は図太い。
浩二としてはかおりが出ていくのは嫌だけれど、負傷して仕事を抱えているかおりを放って置くことも出来なくて、一人でホテルに篭って仕事を続けるかおりを助けに行く。三日三晩二人きりで、どうにか締め切りに間に合わせる。
結局浩二に絆されて残ることになったかおり。ドライなようでいて、結構温かいかおり、好きですよ、僕は。
第5話「花嫁大作戦」
浩二と上手くいくにはどうしたら良いかと考えて、かおりのアドバイスをもらいながら頑張るもクリスは失敗続き。そんな時に舞い込んだ涼子の見合い話。見合いをぶち壊しにするべく、クリスと浩二はトリトンホテルのレストランに潜入する。
結局作戦は何一つ成功しなかったものの、お見合いは不成立。しかし、浩二が涼子にバレる。いや、普通バレるだろうよ。

ちなみに、クリスはやっと浩二と涼子の仲を感じ取ったようです。
あれ?もしかして瑠璃セリフゼロじゃない?
第6話「フローリアス青春白書」
勉強中の浩二の部屋で漫画を読んでいる瑠璃を小雪が叱る。
小雪「瑠璃が邪魔ばっかするから集中できないんだってば、そうよね?浩二」
浩二「う、あ、まぁ…」
瑠璃「邪魔なんかしてないよね?いつも側にいて欲しいって思ってるよね?」
小雪「思ってるの!?」
浩二「お前ら結構いいコンビ?」

瑠璃は小雪をいじるのが楽しくなってきてるんじゃないかと思う。美しい関係とは言えないが、友情が芽生えているような。
瑠璃「ナニやってんのよ一体?お兄ちゃんを連れ戻しに来たんじゃなかったの?」
小雪「ふあ…まだそんなこと言ってるの?明日は早いんだから騒がないの」
瑠璃「いや、その…そうでなく…」
小雪「もう…消すわよ」
瑠璃「あの…だからね?」
小雪「今度こそおやすみ~」
瑠璃「馴染んでる…瑠璃、完全に馴染んじゃってるよ?」
小雪も瑠璃の吐く毒をだんだん流せるようになってきて、瑠璃は夕飯のリクエストなんかを小雪にしてたりして、なんというか、まぁ、馴染んじゃってますよね。
5話のクリスに続いて瑠璃も「かおり詣で」をして作戦を立てることに。音読しつつ執筆するかおりを気にすることなく、自分の話を始める瑠璃。この時、かおりが執筆してるのは兄妹モノで主人公が英二、妹が瑠花。肖像権・・・。
瑠璃「今はそんなくされ仕事してる場合じゃないでしょ。瑠璃の存在意義に関わる問題なのよ?」
かおり「いくつか言いたいことがあるんだがいいか?」
瑠璃「手短にね」
かおり「『仕事の邪魔をするな』『敵であるはずの私のところに相談を持ち込むな』『もうちょっと恥ずかしがれ』…の三本です」
瑠璃「かおりさ~んは愉快だ、な~」

じゃんけんぽん、うふふふふふ。ってか?使えそうなのがかおりしかいないからということで、遺恨が色々あるはずのかおりに相談を持ち込む瑠璃。かおりは瑠璃の側につくことに。不利な方を応援して試合を面白くしたいタイプ?
かおりの作戦としては、瑠璃の地元に浩二を呼び戻す方針を捨て、瑠璃が樹ヶ丘で浩二を攻略するというもの。では、どうやって樹ヶ丘に残るか。
案1 藤枝家の養女になる。

瑠璃「え~わかんないよ?お兄ちゃんが絡むと、小雪って人が変わるし、それに…」
かおり「あの壊滅的にお人好しの親子に向かってよくもまぁ…」
「それに…」のところには浩二が絡むと涼子も結構、という話が入るんだろうな。しかし、ひどい妄想だ。
案2 桜木家の養女になる。

かおり「…最低だなお前って奴は」
瑠璃「いつ瑠璃の魅力に心狂わされるかと思うと…」
かおり「お前みたいに自己中な奴は初めてだ…」
案3 桜木家の嫁になる。

かおり「さっきとほとんど変わってないぞ」
瑠璃「ちょっとだけ人妻の背徳感を出してみたんだけどどうかな?」
こいつら擦れてるなぁ。そこが好きなんだけどさ。やっぱ、頭の良いライターが書く頭の良いキャラって良いですよね。で、瑠璃の方の作戦はともかくとして、浩二の気持ちはどうなのかというかおりの問。極めて楽観視している様子の瑠璃。
瑠璃「それに、瑠璃の方がまだ世間体悪くないでしょ。…あの人よりかは」
かおり「…で、お前の気持ちの方もそれでいいわけ?」
瑠璃「何が?」
かおり「浩二がその気になって迫ってきたとしたら、どうするつもりだ?」
瑠璃「何か問題あったっけ?」
周りが見えている人というのは色々考えるものですが、しかし、自分の方が世間体が良いし、なんて若いお嬢さんが考えることですか…。瑠璃の発言を受け、何か結論に至った様子のかおり。
かおり「お前ってさ…」
瑠璃「何よ?」
かおり「もしかして、一途?」
瑠璃「………」
かおり「………」
瑠璃「…ふん」
かおり「…さいですか」
意外と、可愛いところありますよね、瑠璃。
さて、結局は元の浩二奪還方針に戻った瑠璃。20万入った通帳を浩二との手切れ金として涼子に突き出す。

さっきの妄想と言い、この行動と言い、発想が爛れてるなぁ。学校休んで昼ドラでも見て育ったのか、この子は。
涼子「銀行印がないと下ろせない…じゃない!手切れ金にしては微妙な額…でもないっ!あああ何言ってるのよわたしはっ!?」

ここの涼子の反応がとても好き。ちなみに、この状況で一番正しい発言は「まさか、瑠璃ちゃん…私達の関係に気付いた!?」です。
続きまして、小雪の処理に入る瑠璃。正々堂々といかに自分が浩二に相応しいかをアピールして打ち負かそうという趣旨らしい。
瑠璃「お兄ちゃんとたった五年間一緒だっただけで、随分な古女房っぷりだよね、小雪」
小雪「ふ………古女房!?」
瑠璃「そうだよ、違うなんて言わせないから。いっつもお兄ちゃんの事構ってばっかだし、文句言いながらも自然に目で追ってるしさ」
小雪「古女房…」
瑠璃「そうやって腐れ縁っぽさを演出して、ズルズルとなし崩しにくっつこうと思ってるんだろうけど、そうは流通が卸さないんだからね!」
と、瑠璃が攻撃するものの、想像以上にピュアというか単細胞というか無意識というか…な小雪は「古女房」という言葉に舞い上がってしまう。こういう馬鹿なとこが小雪の可愛げですよね。
あ、あと「問屋が卸さない」を現代版にしたいなら「商社が卸さない」とかの方が良くない?まぁ、これはどうでもいいんですけど。
瑠璃「え~い自己完結するなこの泥棒猫っ!」
小雪「な、何ですってぇ!?そっちこそいきなり割り込んできたくせに!あ、違った。何言ってるのかわかんないわよ」
えーっと、本音がバンバン混じってますよ小雪さん。

ということで雌雄を決する事に。いや、二人とも雌ですけどね。ルールは思い出三本勝負。
瑠璃「瑠璃とお兄ちゃんの10年間をなめないでよね!」
小雪「思春期の5年間にそんなものが敵うと思ってるの!?」
瑠璃の一本目。

浩二が溺れたドサクサでファーストキスを奪っておきました、という話。溺れたのもそもそも瑠璃のせいって辺りが、大変の瑠璃と浩二らしいよね。
小雪の一本目。

涼子が留守の日に停電+雷で浩二に泣きついたという話。思い出を反芻して心の潤いを得ている小雪が馬鹿可愛い。
瑠璃「ちょっとぉ!どこが感動的な思い出なのよ!?ただの寸止めラブコメじゃない!」
桜木親子の心温まる団欒-ここでは行なっているゲームがチンチロリンである点については目をつぶる-に乗り込んでくる小雪。どうやら瑠璃の思い出二本目で逆上したらしい。

小雪「ちょっと浩二!あんた瑠璃ととっくに体験済みって本当なの!?」
瑠璃「そうだよね!瑠璃とお兄ちゃん、ずっと前からいやらしいことばっかりしてたよね?」
小雪「変態っ?ペドっ?青少年保護条例違反!?」
お互いに18歳未満の場合って保護条例適用されないよな?あ、まぁ、このゲームの登場人物は全員成人ですけどね!!
と、言うことで瑠璃と小雪の思い出大会の延長戦には昭、かおり、クリス、浩二本人も参加。おいおい。
かおり「なるほど、おしっこするところを見せあったと。で、他には?」
瑠璃「瑠璃が触らせてってお願いしたら…お兄ちゃん、『いいけど、瑠璃のも触らせろ』って…」
小雪「~~~っ!!!」
小雪大炎上。
ってか、こういう話を瑠璃と同レベルでしている時点で、小雪は自分が瑠璃と同じレベルで浩二に関わっているのを認めている訳で。うーん。
小雪「瑠璃は浩二のいいとこしか知らないんだね」
瑠璃「…どゆこと?」
小雪「いつでも守ってくれて、わがままも聞いてくれて、なんだかんだ言って結局は優しくて…」
5年間のうち4年と11ヶ月は自分も浩二のいいところばかりを見せられていた、と話す小雪。なんでもないなんて言うけれど、いや、思わせぶりに伏線張り過ぎですよ、小雪さん。
さて、涼子の方。
瑠璃の代わりにと浩二が謝るのが気に入らない涼子。「あの人の為に貴方が謝るってことは、あの人と貴方は特別な関係ってことになっちゃって、それムカつく!」という構図は丸戸が大好きなものの一つ。
回想

子供の頃にした約束は、案外本気で覚えていたりするので甘く見てはいけない。という話。浩二と瑠璃はずっと一緒にいるという固い血の契約をしたのだ。それを破った浩二の罪は重い。
そんな話を聞かされて、自分には責任があって云々とか言われてしまうと、涼子としてはかなり複雑なわけで。勿論、表面的には母親の顔でソフトに受け止めるものの。
そして、涼子にキスを求めずに部屋に戻る浩二。引っかかる涼子。うーん。うーん。涼子が大人でいるのも大変だなぁ。
学校で野球部主将の沢田豊と再会。引退試合に来ていた可愛い女の子の話。その子は浩二の情報を事細かに聞いて行ったらしい。ピンと来た浩二。
浩二「…滲み出る性格の悪さ?小悪魔をちょっと腹黒くしたような言動?時おり見せる半白眼がラブリー?」
かおりを運転手にして、学校に病院にと浩二の「空白の一ヶ月」について嗅ぎ回る瑠璃。かおりは止めようとするものの瑠璃は聞かない。
かおり「瑠璃、お前、度を超すと…」
瑠璃「お兄ちゃんのことで…」
かおり「…?」
瑠璃「瑠璃の知らない秘密なんて、あっちゃならないことだから」
かおり「…止めたからな、私は」
忠告はするが強制はしないのがかおり流の関わり方。浩二の事情を知ってて、瑠璃が真相を知ったら苦しい思いをするのが予見できて、しかし瑠璃が浩二に対して持っている思いの大きさも分かる、という辛い立場だな、かおりは。
真相に辿り着いたらしい瑠璃が浩二に持ってきたのは成海大の医学部、ではなく病院のパンフレット。瑠璃の意図に最初に気付いたのは涼子。流石だなぁ。成海大病院はスポーツ医学に強いのだ。
瑠璃「ここなら治ると思わない?…お兄ちゃんの肩も」
浩二「っ!?」
瑠璃「また、野球始められると思わない?」
浩二の負傷は靭帯断裂。プロ野球を良く見る人は分かると思いますが、あの絶望感たるや…という感じの壊滅的故障。最近だと松坂大輔が肘の靭帯を切って苦労していますね。成海大に進学して肩を治すことを提案する瑠璃。

瑠璃「なんで隠してたの?お兄ちゃんのことで、瑠璃に知らないことがあるなんて、許せなくない?」
瑠璃「瑠璃が一番、お兄ちゃんのこと考えてあげてるでしょ?この家の誰も、お兄ちゃんの怪我、放っておいた。けど瑠璃は違うよ」
勿論、瑠璃には性格と年齢から来る視野の狭さと、それを自覚できない精神構造がある訳だけれど、自分の知らないところで自分の大切な人が苦しんでいたことを、何も知らずにいたという事実が瑠璃としては許せないのも、その時浩二の周囲にいた人がどうしてもっと浩二を助けられなかったのかという怒りが生まれてしまうのも、分からないじゃないよなぁ。

浩二の逆鱗に触れてしまった瑠璃。浩二は「何も知らないくせに俺を助けてくれた人たちを悪く言うな」と言うけれど、それなら瑠璃は「知らせてくれなかったのは浩二だ」と思うかもしれない。
さらっと流すと瑠璃の性格の悪さが目立ってしまうかもしれないけれど、瑠璃がこういう極端な行動に出たのも理由がある訳で、浩二を怒らせてしまった瑠璃がもう少し可哀想に見える書き方だったら、もっと良かったかなぁと思ったり。
昭帰宅。得意ゼリフ。

昭「そりゃ浩二が悪いね」
小雪「うん、浩二が悪い」
かおり「とことん悪いね」
だよね、浩二が悪いよね。ちなみに、この一連の流れで七回「浩二が悪い」と言われています。ということで翌朝早くに瑠璃と仲直りをしようということに。と、まー、フラグですよね。当然のごとく瑠璃はフローリアス樹ヶ丘から姿を消していた。バゲット一本を持って。
ヘンゼルとグレーテル式に行く道々20mごとにパンくずを落としていく瑠璃。浩二は流石に長い付き合いだけあって、瑠璃の意図を完璧に読み取る。浩二の言うとおり、パンくずを落としていくのは兄のヘンゼルの方ですね。
小雪「瑠璃の考えてること、すぐにわかるんだね」

過ごした時間にして単純計算で倍も離されている小雪は、瑠璃に対して劣等感がある訳で。何度も言うようだが、それは二人が同じ土俵に乗っているということの証明でもある。
小雪「あたしはね…ずうっと嫌いじゃなかったよ。あの娘のこと」
浩二「…そうなの?とてもそうは見えなかったんだが」
小雪「そりゃ…お互い譲れないモノがあるからじゃない?」
浩二「ふ~ん、そうか」
小雪「そこは流すところじゃない」
浩二が「何だそれ?」って聞いて、小雪が「教えない」って笑うぐらいの遣り取りがしたかったんだろうな、多分。瑠璃と小雪と性格がいかに水と油であろうと、同じ物を同じように見ている以上、親近感を抱いてしまうことは避け難い。
さて、パンくずを追跡する浩二。折り悪く大雨。

流石の瑠璃も計算外。知らない土地で一人きりで、大雨で雷まで。いかに瑠璃が邪な少女であろうと、不安になるというもので。
涼子「瑠璃ちゃんは利口な子だから、大丈夫よ」
小雪「違うよ…」
涼子「え?」
小雪「瑠璃、限定的にバカだよ…ある特定のことに見境ないよ…」
瑠璃を案ずる小雪。やはり同じ匂いを感じ取っているんだろうな。しかし、小雪は良い奴だ。
ようやく、瑠璃のところに辿り着いた浩二。

瑠璃「この、雨に打たれて寒さに震える美少女ってのが保護欲をそそるんじゃない」
浩二「演出に凝るのもいいが、それで死んだら本末転倒だぞ」
瑠璃「瑠璃は死にましぇん」
浩二「いやこのままだと死ぬって」
瑠璃「奴隷のために死ぬのはご主人さまの本懐…」
浩二「俺はアンクルトムをも超える逸材…?」
丸戸は101回目のプロポーズ大好きだな。ダメ恋でもネタになってたし。『アンクル・トムの小屋』は黒人差別を描いた小説で、南北戦争の引き金になった。アンクル・トムを慕っていた元主人のジョージもトムのために死ぬまではしなかったからなぁ。。。
雨宿りする二人。しかし、昨晩のことはまだしこりとして残っているわけで。謝る浩二。自分だけが悪いのであって、涼子もかおりも小雪も昭も先生も野球部の連中も、皆悪くないのだと言う。
浩二「わかった?」
瑠璃「…相変わらず、お兄ちゃんの世界が広いってことはね」

浩二の世界が広がっていって、その分瑠璃と浩二の時間は減っていって。自分の知らない浩二が増えていくのが瑠璃には辛かったことだろう。
瑠璃「瑠璃のいないとこで夢を見て、瑠璃のいないとこで夢に破れて」
瑠璃「瑠璃のいないところで、けどみんなのいる場所で笑って、泣いて…」
瑠璃「瑠璃のいないところで、みんながお兄ちゃんを好きになって…」
瑠璃「気に入らない…全部、気に入らない」
瑠璃の悲鳴のような言葉に対して浩二が出した答えは「なら、罰を与えろ」。瑠璃は「奴隷のために死ぬのはご主人さまの本懐…」と言っていたけれど、そんな主人に対して身を切るのも奴隷の面目躍如ということか。もう少し素直に言えば、瑠璃を傷つけた咎を受けるという宣言だな。
瑠璃「あ、あれは瑠璃だけが悪いんじゃないよ!二人とも脛に傷持つ身なんだからっ」
浩二「なんでだよ?涼子さんにも小雪にも、随分良くしてもらってるだろ?」
瑠璃「そ、それはそうだけれど…けど、お互い譲れないものもあるわけで」
脛に傷持つ、か。息子同然の存在と恋仲になってしまった涼子、思いを告げないままだらだらとなし崩しを狙っている小雪、幼い頃の約束を信じ続けている瑠璃。後暗さは似たようなものか。いや、小雪が少しマシかな?
浩二「それ、小雪も言ってたな。一体何のことだ?」
瑠璃「…はぁ」
浩二「なんだよその溜息は…」
瑠璃「敵ながら同情するわ、小雪には」
きっと小雪も同じように、こんなにも執着しながらその理由が伝わっていない瑠璃に同情しているんじゃないかと思う。互いに苦しみが分かるというのが、二人が仲良くなれたポイントかも知れない。
特に意識もせずに瑠璃の紫色になった唇に触れ、額をくっつけて熱がないか確認する浩二。天性の女たらしである桜木家の血。流石の瑠璃も呆れる。そうだと分かっていながらまんまと引っ掛かってる瑠璃は重症だなぁ。

瑠璃「どこまでその気なの?」
瑠璃「いつの間にそんな“悪い男”になっちゃったのお兄ちゃんは…やっぱり血なのかなぁ」
多分正解です。
無意識に迫ってくる浩二に翻弄されながらも、自分を奮い立たせる瑠璃。何せ瑠璃にだって同じ「たらしの血」が流れているのである。頑張れ瑠璃。(何故か手に汗握りながら)
瑠璃の反撃。手が冷たいから温めたい。ということで浩二のズボンを下ろして…。おぉ、攻めるねぇ、瑠璃。流石は桜木家の血縁だ。
瑠璃「前にこうしたとき…出たよね?あの時はおしっこだと思ったよ」
瑠璃の思い出話。昔、瑠璃が触った時に浩二は精通を迎えたらしい。年下の女の子に触られて、しかも顔射で精通か。やはり桜木家の男は違うなぁ。で、昔と同じように逆も、ということで浩二に触らせる瑠璃。
瑠璃「契約によると、さわらせてくれたら、さわらせてあげないといけない」
五年前触った時と殆ど変わらない瑠璃の性器。しかし、瑠璃の反応の方は随分と大人の女性になっていて。その反応が浩二のタガを外していく。瑠璃の方は処女を浩二に捧げる-この言葉のこっ恥ずかしさは異常だ-気満々な訳だが、流石にそこまで浩二は心の準備をしていない。
浩二「奴隷に初めてを捧げる主人なんざ聞いたことないぞ…」
瑠璃「新機軸だね」
浩二「なに考えてんだよお前…」
瑠璃「お兄ちゃんのこと。寝ても覚めてもお兄ちゃんのこと」
これを以って瑠璃の告白と考えても良いかも知れない。これまで示唆するセリフはあったけれど、実際に明言に近い形まで言葉にしたのはなかったような気がする。
浩二としては、瑠璃を抱くのはまんざらでもないわけだが、浩二には涼子がいたりする訳だし、そうそう簡単に「はい、いただきます」とはならないわけで。かてて加えて浩二はちょっと思い切りの悪いところもあるし。
瑠璃「だったら、瑠璃を傷つけずに断ってごらんよ!」
瑠璃「無理やりお兄ちゃんのことさわって、自分で脱いで、さわらせて、一生懸命興奮させようとして…」
瑠璃「騙して、騙して、何度も嘘ついて、なだめて、すかして、心がついてこなくても、問答無用で体が反応するようにして」
瑠璃「そこまでしておいて断られても、全然悔しくもなんともない…」
瑠璃「それどころか愛されてる~なんて幸せな気持ちになれるような、そんな気の利いた逃げ口上言ってみなよ!」
自分と浩二の種明かしを同時にしてみせる瑠璃。ここまで来てしまった瑠璃にこれ以上の策略はない訳で、あとはもう「逃げられるものなら逃げてみろ」と言って正面からぶつかるほかない。健気だ。
浩二「ギンギンになった…瑠璃の誘惑に、完全に引っかかった」
ついに敗れる浩二。止めの一撃になったのは、瑠璃の健気な涙。そうだよなぁ。涙は女の武器とは言うものの、本当に威力があるのは武器のつもりで使ってる涙じゃなくて、自然と溢れてしまう奴なんだよな。

いざとなると、浩二になされるがままの瑠璃。キスをねだる瑠璃を浩二は雛鳥に例える。或いは、カラカラに乾いてしまった鉢植えかもしれない。手入れがされない鉢植えの植物は荒々しく育ってしまうものだから。どちらにせよ、それを生んだのは浩二との五年間の別離だろう。罪な男だぜ。
瑠璃「るりが、ほしい?」
浩二「欲しい」
最後は作戦も何もあったものではなかったけれど、瑠璃は浩二にそれを言わせることに成功した訳で、偉大な成果といっても良いかもしれない。
ついに瑠璃の中に入っていく浩二。瑠璃は傷付けて犯して征服してしまいたいけれど、抱き締めて守ってやりたい存在でもあって、いや、それは愛というのだよ、浩二。
瑠璃「も、もうおにぃちゃんわ、るりからはなれられないょ」
浩二「…そうだな」
瑠璃「っ!?あ、あのっ、あのっ、…ほ、ほんとぉ!?」
浩二「さあ?何が?」
事後、呂律の回らない瑠璃の、あまりに幸せそうで、あまりに締まらない勝利宣言。良いね。
今日はここまで!!
この日記を書くまではそこそこの好感度だったんですが、細かく見ていくうちにどんどん好きになってしまいました。いや、良く出来てるシナリオに良く出来てるキャラクターなんですよ。しかも、小雪ルートでの小雪との友情ぶりもグッと来るものがあるし。。。
と言う訳で、今日は瑠璃編のルート確定までをお送りします。瑠璃が嫌いだった方も、よくよく見ると可愛げに気付くかも知れませんよ。ちょっと長いんですが、お付き合い下さいませ。
第1話「ファミリー・555」
第2話「アメリカンフィアンセ」
第3話「Dear my sinister」
買い物帰りの涼子を待って、一緒に帰る浩二。そこに女の子の叫び声。何だか嫌な予感がする浩二。察知出来ても回避出来ないんじゃ倍怖いだけだなww
ちょっとナンパされたのを利用して浩二との五年ぶりの「運命の再会」を果たした瑠璃。とばっちりを食らった男二人がちょっと気の毒。
獲物を捕獲した瑠璃。その顔、暗黒面が駄々漏れやぞ、おいww
瑠璃は昭曰く「僕の父とは腹違いの叔父貴の愛人が叔父貴に内緒で生んだ女の子が、三番目の旦那さんとの間に授かった子」とのこと。意味が分からないよww
他の人間がいる時の猫かぶりから一転、尊大な態度で浩二をこき使う瑠璃。以下、明確な力関係の図。瑠璃曰く浩二は『奴隷』なのだとか。
五年前、転居先を告げずに瑠璃の元を離れた浩二。その理由というのを端的に表すのが以下。
ミドルティーンの少年にこの仕打ちとは…。
瑠璃が樹ヶ丘に現れた表向きの理由は、母親の再婚相手(ちなみに六番目の夫)からの虐待だということなのだが、勿論それは嘘。さて、瑠璃の本当の目的は?
浩二は写真で弱みを握られているらしい。何ですかね。
瑠璃の情報収集
浩二にその気はないとは言っても許嫁のクリスはランクA。薄着で歩き回る隣のお姉さんかおりはランクB。
瑠璃「あの…もう寝ちゃいました?」
小雪「ん?まだ起きてるけど、なに?」
瑠璃「その…それで小雪さんは…お兄ちゃんのこと、どう思ってるんですか?」
小雪「んなっ!?」
瑠璃「………」
小雪「あ、あたしはぁ…あんなヤツのこと、別に、そんな、ねえ?」
瑠璃「………」
小雪「あ、あは、あはははは…だからほら、ねえ?なんてゆ~か、全然…」
瑠璃「…A+」
世話焼きでしっかり者で単細胞気味な幼馴染はA+の高評価を受けました。良いぞ小雪wwしかし、丸戸は妹キャラはショコラの鈴、パルフェの明日香と結構計算高いのが多いな。意図的に「健気で可愛い妹」のステレオタイプからズラしてきてる感じがする。
皆が瑠璃にコロッと騙されている現状で、一人だけ瑠璃と距離を取り合っているかおり。知恵者同士牽制しているようだ。その存在が浩二としては頼もしい。
瑠璃の目的は、浩二を自分の地元に呼び戻すこと。浩二を成海大学へ進学させて、自分は成海大学付属へという計画。
瑠璃「言ったでしょ?骨の髄までしゃぶり尽くしてあげるって…奴隷に、復職させてあげる…ふふっ」
浩二「な…なにぃっ!?」
瑠璃「そういうわけで、はい赤本。願書は後で送るから」
恐ろしいまでに準備が良い瑠璃。しかし、瑠璃が本屋で大学の赤本買ってる様子を想像するとちょっと笑えるよね。まだ三年は先でしょ?
瑠璃「成海大に行かなかったら、瑠璃の僕になれないかもしれないんだよ?それでもいいの?」
浩二「それ素で言ってるらしいのがお前の怖いところだ」
瑠璃「どうしても、首を縦に振ってくれないの?」
浩二「ごめん…今は、まだ」
瑠璃「あ、お兄ちゃん足元に100円玉が。ほら下見て見て」
浩二「せこいぞ瑠璃」
瑠璃「ちっ…500円玉にすべきだったわ」
そういう問題ではない。策略家の瑠璃にしては安っぽい手だ。いや、冗談だろうけど。
浩二「もしかしたら大学行かずに就職するかも。いや、けどそう言ったらきっと余計な心配されるしなぁ…」
瑠璃「は?」
浩二「でもまぁ、年齢的にあまり待たす訳にも…」
瑠璃「お兄ちゃん?」
浩二「俺にもかおりさんみたいな才能あればなぁ…大学行きながらでも養って…」
浩二「いや、それでもあっちの方が圧倒的に稼ぎがいいし…」
瑠璃「ちょっとぉ?」
浩二「しかも向こうには扶養家族が…って、ちょっと待て!そうなると俺あいつの親父!?」
瑠璃「あいつって誰?」
浩二「そりゃお前、こ………瑠璃っ!?お前いつの間にここにいた?」
瑠璃「…お兄ちゃん、しばらく見ない間にかなり愉快になった?」
長い引用になってしまった。浩二は樹ヶ丘に残りたい訳で、その理由は間違いなく涼子なんだけど、それがはっきり言えるはずもなく。
で、思ったよりあっさりと退いた瑠璃。説得ではなく「浩二を樹ヶ丘にいられなくさせる作戦」に切り替え。その1、下着泥棒濡れ衣作戦。
小雪って合同家族会議好きだよね。昭直伝の舌先三寸で状況を好転させる浩二。そこにかおりと連携した涼子の助け舟。と言うことで作戦失敗。かおりが浩二の側についてくれるのは大きいな。
その夜。涼子と浩二のベランダ密会。で、キスしてるところを見られた結果、瑠璃の査定で涼子はランクSに。流石はメインヒロインだぜ!
続きまして夜這い作戦。
瑠璃「お兄ちゃんは悪くないの。瑠璃が、お兄ちゃんに無理言って抱いてもらってたの」
浩二「今度はそう来たかっ!」
小雪「え…え…ええっ!?」
瑠璃「ごめんなさい小雪さん。実は、小雪さんが眠ってからお部屋を抜け出して、ここに来てたの…毎晩」
小雪「毎晩………毎晩………」
瑠璃「お兄ちゃんが『やっぱり若い子はいい』って…だから瑠璃、嬉しくて嬉しくて…ごめんなさいっ」
クールに怒る涼子に対して火に油を注ぐ一言。涼子にびんたを貰ってしまう浩二。まぁ、桜木家の男にとっては勲章のようなものでして。
翌日の夜。
このマンションは桜木父子が経営する巨大な娼館だったのだ!というホラ話を聞かせ、瑠璃のせいで計画が潰れてしまったから落とし前を…と迫る浩二。かおりもグル。
この茶番劇で浩二はどうにか難を逃れるものの、瑠璃の奴隷からかおりの使い魔に。これって身分的にはマシになったのかな。
作戦が失敗に終わり、瑠璃が本性を表すも一旦引くと宣言。何故か切り札の写真を使おうとしない。
かおり「そんな切り札、何があったって、出す訳ないでしょ?」
浩二「…へ?」
かおり「なんたって、宝物なんだし」
図星を突かれたか、狼狽する瑠璃。かおりの万能キャラぶりは異常。ちなみに、その宝物の写真がこちら。これがお話にもうちょっと絡んできたらもっと良かったなぁ。
小雪「ああもうっ!あの可愛かった瑠璃ちゃんは一体ドコに行っちゃったのよ~」
瑠璃「あの時はいつ窒息死するかと思ってたよ~まぁ、簡単に騙されてくれたからちょっとは楽だったけど」
作戦が失敗に終わった瑠璃ですが、何故か藤枝家の居候として残ることに。え、マジでww
第4話「こちらオータームーン出版社」
瑠璃の支配から脱したものの、かおりのアシスタントになって扱き使われる浩二。かおりが手を火傷したため、かおりが喋ったのを浩二が打ち込むという執筆風景。出版社との調整まで浩二がやっている。
小雪「誰かさんに被らされた無実の罪を晴らすために仕方なく契約を結んだとかなんとか」
瑠璃「性根の腐った奴もいるもんだね」
小雪「あたしの目の前にね…」
瑠璃「家族同然のクリスに向かってなんて酷いこと…涼子さん、小雪の育て方間違えてない?」
涼子「は、はぁ…?」
小雪「あたしはあんたの親にこそその言葉をワゴン価格で進呈したいわよ!」
で、かおりを除く樹ヶ丘5階女性陣会議。かおりが浩二を独占している状態に異議を唱えたいらしい。瑠璃曰く「年の功」とか何とかでかおりの前に押し出される涼子。瑠璃の腹話術人形状態。
瑠璃「だからと言って、あなたが浩くんを好きにしていいっていうの?」
涼子「だ、だからと言って、あなたが浩くんを好きにしていいっていうの?」
瑠璃「大体あなた、浩くんのなんなの?いつも裸同然の格好で彼の前をうろついて。それって誘惑しているつもりなわけ?」
涼子「だ、大体あなた、浩くんのなんなの?いつも裸同然の格好で彼の前をうろついて。それって誘惑しているつもりなわけ?」
瑠璃「目障りなのよあなた。もう彼の前に姿を現さないで頂戴。わたしのお腹の中には彼の赤ん坊がいるのよっ!」
涼子「め、目障りなのよあなた。もう彼の前に姿を現さないで頂戴。わたしのお腹の中には…っていやだぁぁぁっ!?」
場を引っ掻き回してるなぁ、瑠璃。かおりも賢いけど面倒臭がりだから態度は受動的なんだよね。その点、瑠璃は自分からどんどん動いてく方だから。
かおりの引越し計画発覚。緊急家族会議。今日まで誰も知らなかったことにショックを受けるフローリアス樹ヶ丘五階の面々。かおりが引っ越す理由は両親が日本に帰ってくるけど一人暮らしをしたいから、だとか。
瑠璃「…両親いたんだ。てっきりその辺から生えてきたんだと思ってた」
クリス「…確かにカオリは行動範囲がplant並ですカラね」
瑠璃「高校通ってたんだ制服姿のかおりって想像できない…」
小雪「う~ん…それについては、実はあたしも」
クリス「…確かにカオリは服装がplant並ですカラね」
瑠璃が困り顔をするレベルです。このナチュラルに失礼な感じ良いな。かおりの親御さんを見てみたいよね。どう育てたらこういう賢くて自由なお子さんが育つのか。
朝早く部屋から姿を消していたかおり。絶望的に朝弱いかおりが8時半に家にいないなど余程のことである。出て行ってしまったのか?と疑う面々。
クリス「No…荷物は置きっ放しデス。それにカオリハ、どこぞノrunaway girlトハ違いマス」
小雪「そ、そうね、かおりさんに限って、そんな短絡的で愚かで邪悪な考えを持つはずが…」
瑠璃「お兄ちゃん、瑠璃、ここでの扱いに不満があるよ!」
浩二「死ぬほど心当たりがあるくせに文句言うな」
クリスや小雪がどんどん瑠璃に対して遠慮がなくなっていくのが面白い。そして、堂々と不満を述べる瑠璃は図太い。
浩二としてはかおりが出ていくのは嫌だけれど、負傷して仕事を抱えているかおりを放って置くことも出来なくて、一人でホテルに篭って仕事を続けるかおりを助けに行く。三日三晩二人きりで、どうにか締め切りに間に合わせる。
結局浩二に絆されて残ることになったかおり。ドライなようでいて、結構温かいかおり、好きですよ、僕は。
第5話「花嫁大作戦」
浩二と上手くいくにはどうしたら良いかと考えて、かおりのアドバイスをもらいながら頑張るもクリスは失敗続き。そんな時に舞い込んだ涼子の見合い話。見合いをぶち壊しにするべく、クリスと浩二はトリトンホテルのレストランに潜入する。
結局作戦は何一つ成功しなかったものの、お見合いは不成立。しかし、浩二が涼子にバレる。いや、普通バレるだろうよ。
ちなみに、クリスはやっと浩二と涼子の仲を感じ取ったようです。
あれ?もしかして瑠璃セリフゼロじゃない?
第6話「フローリアス青春白書」
勉強中の浩二の部屋で漫画を読んでいる瑠璃を小雪が叱る。
小雪「瑠璃が邪魔ばっかするから集中できないんだってば、そうよね?浩二」
浩二「う、あ、まぁ…」
瑠璃「邪魔なんかしてないよね?いつも側にいて欲しいって思ってるよね?」
小雪「思ってるの!?」
浩二「お前ら結構いいコンビ?」
瑠璃は小雪をいじるのが楽しくなってきてるんじゃないかと思う。美しい関係とは言えないが、友情が芽生えているような。
瑠璃「ナニやってんのよ一体?お兄ちゃんを連れ戻しに来たんじゃなかったの?」
小雪「ふあ…まだそんなこと言ってるの?明日は早いんだから騒がないの」
瑠璃「いや、その…そうでなく…」
小雪「もう…消すわよ」
瑠璃「あの…だからね?」
小雪「今度こそおやすみ~」
瑠璃「馴染んでる…瑠璃、完全に馴染んじゃってるよ?」
小雪も瑠璃の吐く毒をだんだん流せるようになってきて、瑠璃は夕飯のリクエストなんかを小雪にしてたりして、なんというか、まぁ、馴染んじゃってますよね。
5話のクリスに続いて瑠璃も「かおり詣で」をして作戦を立てることに。音読しつつ執筆するかおりを気にすることなく、自分の話を始める瑠璃。この時、かおりが執筆してるのは兄妹モノで主人公が英二、妹が瑠花。肖像権・・・。
瑠璃「今はそんなくされ仕事してる場合じゃないでしょ。瑠璃の存在意義に関わる問題なのよ?」
かおり「いくつか言いたいことがあるんだがいいか?」
瑠璃「手短にね」
かおり「『仕事の邪魔をするな』『敵であるはずの私のところに相談を持ち込むな』『もうちょっと恥ずかしがれ』…の三本です」
瑠璃「かおりさ~んは愉快だ、な~」
じゃんけんぽん、うふふふふふ。ってか?使えそうなのがかおりしかいないからということで、遺恨が色々あるはずのかおりに相談を持ち込む瑠璃。かおりは瑠璃の側につくことに。不利な方を応援して試合を面白くしたいタイプ?
かおりの作戦としては、瑠璃の地元に浩二を呼び戻す方針を捨て、瑠璃が樹ヶ丘で浩二を攻略するというもの。では、どうやって樹ヶ丘に残るか。
案1 藤枝家の養女になる。
瑠璃「え~わかんないよ?お兄ちゃんが絡むと、小雪って人が変わるし、それに…」
かおり「あの壊滅的にお人好しの親子に向かってよくもまぁ…」
「それに…」のところには浩二が絡むと涼子も結構、という話が入るんだろうな。しかし、ひどい妄想だ。
案2 桜木家の養女になる。
かおり「…最低だなお前って奴は」
瑠璃「いつ瑠璃の魅力に心狂わされるかと思うと…」
かおり「お前みたいに自己中な奴は初めてだ…」
案3 桜木家の嫁になる。
かおり「さっきとほとんど変わってないぞ」
瑠璃「ちょっとだけ人妻の背徳感を出してみたんだけどどうかな?」
こいつら擦れてるなぁ。そこが好きなんだけどさ。やっぱ、頭の良いライターが書く頭の良いキャラって良いですよね。で、瑠璃の方の作戦はともかくとして、浩二の気持ちはどうなのかというかおりの問。極めて楽観視している様子の瑠璃。
瑠璃「それに、瑠璃の方がまだ世間体悪くないでしょ。…あの人よりかは」
かおり「…で、お前の気持ちの方もそれでいいわけ?」
瑠璃「何が?」
かおり「浩二がその気になって迫ってきたとしたら、どうするつもりだ?」
瑠璃「何か問題あったっけ?」
周りが見えている人というのは色々考えるものですが、しかし、自分の方が世間体が良いし、なんて若いお嬢さんが考えることですか…。瑠璃の発言を受け、何か結論に至った様子のかおり。
かおり「お前ってさ…」
瑠璃「何よ?」
かおり「もしかして、一途?」
瑠璃「………」
かおり「………」
瑠璃「…ふん」
かおり「…さいですか」
意外と、可愛いところありますよね、瑠璃。
さて、結局は元の浩二奪還方針に戻った瑠璃。20万入った通帳を浩二との手切れ金として涼子に突き出す。
さっきの妄想と言い、この行動と言い、発想が爛れてるなぁ。学校休んで昼ドラでも見て育ったのか、この子は。
涼子「銀行印がないと下ろせない…じゃない!手切れ金にしては微妙な額…でもないっ!あああ何言ってるのよわたしはっ!?」
ここの涼子の反応がとても好き。ちなみに、この状況で一番正しい発言は「まさか、瑠璃ちゃん…私達の関係に気付いた!?」です。
続きまして、小雪の処理に入る瑠璃。正々堂々といかに自分が浩二に相応しいかをアピールして打ち負かそうという趣旨らしい。
瑠璃「お兄ちゃんとたった五年間一緒だっただけで、随分な古女房っぷりだよね、小雪」
小雪「ふ………古女房!?」
瑠璃「そうだよ、違うなんて言わせないから。いっつもお兄ちゃんの事構ってばっかだし、文句言いながらも自然に目で追ってるしさ」
小雪「古女房…」
瑠璃「そうやって腐れ縁っぽさを演出して、ズルズルとなし崩しにくっつこうと思ってるんだろうけど、そうは流通が卸さないんだからね!」
と、瑠璃が攻撃するものの、想像以上にピュアというか単細胞というか無意識というか…な小雪は「古女房」という言葉に舞い上がってしまう。こういう馬鹿なとこが小雪の可愛げですよね。
あ、あと「問屋が卸さない」を現代版にしたいなら「商社が卸さない」とかの方が良くない?まぁ、これはどうでもいいんですけど。
瑠璃「え~い自己完結するなこの泥棒猫っ!」
小雪「な、何ですってぇ!?そっちこそいきなり割り込んできたくせに!あ、違った。何言ってるのかわかんないわよ」
えーっと、本音がバンバン混じってますよ小雪さん。
ということで雌雄を決する事に。いや、二人とも雌ですけどね。ルールは思い出三本勝負。
瑠璃「瑠璃とお兄ちゃんの10年間をなめないでよね!」
小雪「思春期の5年間にそんなものが敵うと思ってるの!?」
瑠璃の一本目。
浩二が溺れたドサクサでファーストキスを奪っておきました、という話。溺れたのもそもそも瑠璃のせいって辺りが、大変の瑠璃と浩二らしいよね。
小雪の一本目。
涼子が留守の日に停電+雷で浩二に泣きついたという話。思い出を反芻して心の潤いを得ている小雪が馬鹿可愛い。
瑠璃「ちょっとぉ!どこが感動的な思い出なのよ!?ただの寸止めラブコメじゃない!」
桜木親子の心温まる団欒-ここでは行なっているゲームがチンチロリンである点については目をつぶる-に乗り込んでくる小雪。どうやら瑠璃の思い出二本目で逆上したらしい。
小雪「ちょっと浩二!あんた瑠璃ととっくに体験済みって本当なの!?」
瑠璃「そうだよね!瑠璃とお兄ちゃん、ずっと前からいやらしいことばっかりしてたよね?」
小雪「変態っ?ペドっ?青少年保護条例違反!?」
お互いに18歳未満の場合って保護条例適用されないよな?あ、まぁ、このゲームの登場人物は全員成人ですけどね!!
と、言うことで瑠璃と小雪の思い出大会の延長戦には昭、かおり、クリス、浩二本人も参加。おいおい。
かおり「なるほど、おしっこするところを見せあったと。で、他には?」
瑠璃「瑠璃が触らせてってお願いしたら…お兄ちゃん、『いいけど、瑠璃のも触らせろ』って…」
小雪「~~~っ!!!」
小雪大炎上。
ってか、こういう話を瑠璃と同レベルでしている時点で、小雪は自分が瑠璃と同じレベルで浩二に関わっているのを認めている訳で。うーん。
小雪「瑠璃は浩二のいいとこしか知らないんだね」
瑠璃「…どゆこと?」
小雪「いつでも守ってくれて、わがままも聞いてくれて、なんだかんだ言って結局は優しくて…」
5年間のうち4年と11ヶ月は自分も浩二のいいところばかりを見せられていた、と話す小雪。なんでもないなんて言うけれど、いや、思わせぶりに伏線張り過ぎですよ、小雪さん。
さて、涼子の方。
瑠璃の代わりにと浩二が謝るのが気に入らない涼子。「あの人の為に貴方が謝るってことは、あの人と貴方は特別な関係ってことになっちゃって、それムカつく!」という構図は丸戸が大好きなものの一つ。
回想
子供の頃にした約束は、案外本気で覚えていたりするので甘く見てはいけない。という話。浩二と瑠璃はずっと一緒にいるという固い血の契約をしたのだ。それを破った浩二の罪は重い。
そんな話を聞かされて、自分には責任があって云々とか言われてしまうと、涼子としてはかなり複雑なわけで。勿論、表面的には母親の顔でソフトに受け止めるものの。
そして、涼子にキスを求めずに部屋に戻る浩二。引っかかる涼子。うーん。うーん。涼子が大人でいるのも大変だなぁ。
学校で野球部主将の沢田豊と再会。引退試合に来ていた可愛い女の子の話。その子は浩二の情報を事細かに聞いて行ったらしい。ピンと来た浩二。
浩二「…滲み出る性格の悪さ?小悪魔をちょっと腹黒くしたような言動?時おり見せる半白眼がラブリー?」
かおりを運転手にして、学校に病院にと浩二の「空白の一ヶ月」について嗅ぎ回る瑠璃。かおりは止めようとするものの瑠璃は聞かない。
かおり「瑠璃、お前、度を超すと…」
瑠璃「お兄ちゃんのことで…」
かおり「…?」
瑠璃「瑠璃の知らない秘密なんて、あっちゃならないことだから」
かおり「…止めたからな、私は」
忠告はするが強制はしないのがかおり流の関わり方。浩二の事情を知ってて、瑠璃が真相を知ったら苦しい思いをするのが予見できて、しかし瑠璃が浩二に対して持っている思いの大きさも分かる、という辛い立場だな、かおりは。
真相に辿り着いたらしい瑠璃が浩二に持ってきたのは成海大の医学部、ではなく病院のパンフレット。瑠璃の意図に最初に気付いたのは涼子。流石だなぁ。成海大病院はスポーツ医学に強いのだ。
瑠璃「ここなら治ると思わない?…お兄ちゃんの肩も」
浩二「っ!?」
瑠璃「また、野球始められると思わない?」
浩二の負傷は靭帯断裂。プロ野球を良く見る人は分かると思いますが、あの絶望感たるや…という感じの壊滅的故障。最近だと松坂大輔が肘の靭帯を切って苦労していますね。成海大に進学して肩を治すことを提案する瑠璃。
瑠璃「なんで隠してたの?お兄ちゃんのことで、瑠璃に知らないことがあるなんて、許せなくない?」
瑠璃「瑠璃が一番、お兄ちゃんのこと考えてあげてるでしょ?この家の誰も、お兄ちゃんの怪我、放っておいた。けど瑠璃は違うよ」
勿論、瑠璃には性格と年齢から来る視野の狭さと、それを自覚できない精神構造がある訳だけれど、自分の知らないところで自分の大切な人が苦しんでいたことを、何も知らずにいたという事実が瑠璃としては許せないのも、その時浩二の周囲にいた人がどうしてもっと浩二を助けられなかったのかという怒りが生まれてしまうのも、分からないじゃないよなぁ。
浩二の逆鱗に触れてしまった瑠璃。浩二は「何も知らないくせに俺を助けてくれた人たちを悪く言うな」と言うけれど、それなら瑠璃は「知らせてくれなかったのは浩二だ」と思うかもしれない。
さらっと流すと瑠璃の性格の悪さが目立ってしまうかもしれないけれど、瑠璃がこういう極端な行動に出たのも理由がある訳で、浩二を怒らせてしまった瑠璃がもう少し可哀想に見える書き方だったら、もっと良かったかなぁと思ったり。
昭帰宅。得意ゼリフ。
昭「そりゃ浩二が悪いね」
小雪「うん、浩二が悪い」
かおり「とことん悪いね」
だよね、浩二が悪いよね。ちなみに、この一連の流れで七回「浩二が悪い」と言われています。ということで翌朝早くに瑠璃と仲直りをしようということに。と、まー、フラグですよね。当然のごとく瑠璃はフローリアス樹ヶ丘から姿を消していた。バゲット一本を持って。
ヘンゼルとグレーテル式に行く道々20mごとにパンくずを落としていく瑠璃。浩二は流石に長い付き合いだけあって、瑠璃の意図を完璧に読み取る。浩二の言うとおり、パンくずを落としていくのは兄のヘンゼルの方ですね。
小雪「瑠璃の考えてること、すぐにわかるんだね」
過ごした時間にして単純計算で倍も離されている小雪は、瑠璃に対して劣等感がある訳で。何度も言うようだが、それは二人が同じ土俵に乗っているということの証明でもある。
小雪「あたしはね…ずうっと嫌いじゃなかったよ。あの娘のこと」
浩二「…そうなの?とてもそうは見えなかったんだが」
小雪「そりゃ…お互い譲れないモノがあるからじゃない?」
浩二「ふ~ん、そうか」
小雪「そこは流すところじゃない」
浩二が「何だそれ?」って聞いて、小雪が「教えない」って笑うぐらいの遣り取りがしたかったんだろうな、多分。瑠璃と小雪と性格がいかに水と油であろうと、同じ物を同じように見ている以上、親近感を抱いてしまうことは避け難い。
さて、パンくずを追跡する浩二。折り悪く大雨。
流石の瑠璃も計算外。知らない土地で一人きりで、大雨で雷まで。いかに瑠璃が邪な少女であろうと、不安になるというもので。
涼子「瑠璃ちゃんは利口な子だから、大丈夫よ」
小雪「違うよ…」
涼子「え?」
小雪「瑠璃、限定的にバカだよ…ある特定のことに見境ないよ…」
瑠璃を案ずる小雪。やはり同じ匂いを感じ取っているんだろうな。しかし、小雪は良い奴だ。
ようやく、瑠璃のところに辿り着いた浩二。
瑠璃「この、雨に打たれて寒さに震える美少女ってのが保護欲をそそるんじゃない」
浩二「演出に凝るのもいいが、それで死んだら本末転倒だぞ」
瑠璃「瑠璃は死にましぇん」
浩二「いやこのままだと死ぬって」
瑠璃「奴隷のために死ぬのはご主人さまの本懐…」
浩二「俺はアンクルトムをも超える逸材…?」
丸戸は101回目のプロポーズ大好きだな。ダメ恋でもネタになってたし。『アンクル・トムの小屋』は黒人差別を描いた小説で、南北戦争の引き金になった。アンクル・トムを慕っていた元主人のジョージもトムのために死ぬまではしなかったからなぁ。。。
雨宿りする二人。しかし、昨晩のことはまだしこりとして残っているわけで。謝る浩二。自分だけが悪いのであって、涼子もかおりも小雪も昭も先生も野球部の連中も、皆悪くないのだと言う。
浩二「わかった?」
瑠璃「…相変わらず、お兄ちゃんの世界が広いってことはね」
浩二の世界が広がっていって、その分瑠璃と浩二の時間は減っていって。自分の知らない浩二が増えていくのが瑠璃には辛かったことだろう。
瑠璃「瑠璃のいないとこで夢を見て、瑠璃のいないとこで夢に破れて」
瑠璃「瑠璃のいないところで、けどみんなのいる場所で笑って、泣いて…」
瑠璃「瑠璃のいないところで、みんながお兄ちゃんを好きになって…」
瑠璃「気に入らない…全部、気に入らない」
瑠璃の悲鳴のような言葉に対して浩二が出した答えは「なら、罰を与えろ」。瑠璃は「奴隷のために死ぬのはご主人さまの本懐…」と言っていたけれど、そんな主人に対して身を切るのも奴隷の面目躍如ということか。もう少し素直に言えば、瑠璃を傷つけた咎を受けるという宣言だな。
瑠璃「あ、あれは瑠璃だけが悪いんじゃないよ!二人とも脛に傷持つ身なんだからっ」
浩二「なんでだよ?涼子さんにも小雪にも、随分良くしてもらってるだろ?」
瑠璃「そ、それはそうだけれど…けど、お互い譲れないものもあるわけで」
脛に傷持つ、か。息子同然の存在と恋仲になってしまった涼子、思いを告げないままだらだらとなし崩しを狙っている小雪、幼い頃の約束を信じ続けている瑠璃。後暗さは似たようなものか。いや、小雪が少しマシかな?
浩二「それ、小雪も言ってたな。一体何のことだ?」
瑠璃「…はぁ」
浩二「なんだよその溜息は…」
瑠璃「敵ながら同情するわ、小雪には」
きっと小雪も同じように、こんなにも執着しながらその理由が伝わっていない瑠璃に同情しているんじゃないかと思う。互いに苦しみが分かるというのが、二人が仲良くなれたポイントかも知れない。
特に意識もせずに瑠璃の紫色になった唇に触れ、額をくっつけて熱がないか確認する浩二。天性の女たらしである桜木家の血。流石の瑠璃も呆れる。そうだと分かっていながらまんまと引っ掛かってる瑠璃は重症だなぁ。
瑠璃「どこまでその気なの?」
瑠璃「いつの間にそんな“悪い男”になっちゃったのお兄ちゃんは…やっぱり血なのかなぁ」
多分正解です。
無意識に迫ってくる浩二に翻弄されながらも、自分を奮い立たせる瑠璃。何せ瑠璃にだって同じ「たらしの血」が流れているのである。頑張れ瑠璃。(何故か手に汗握りながら)
瑠璃の反撃。手が冷たいから温めたい。ということで浩二のズボンを下ろして…。おぉ、攻めるねぇ、瑠璃。流石は桜木家の血縁だ。
瑠璃「前にこうしたとき…出たよね?あの時はおしっこだと思ったよ」
瑠璃の思い出話。昔、瑠璃が触った時に浩二は精通を迎えたらしい。年下の女の子に触られて、しかも顔射で精通か。やはり桜木家の男は違うなぁ。で、昔と同じように逆も、ということで浩二に触らせる瑠璃。
瑠璃「契約によると、さわらせてくれたら、さわらせてあげないといけない」
五年前触った時と殆ど変わらない瑠璃の性器。しかし、瑠璃の反応の方は随分と大人の女性になっていて。その反応が浩二のタガを外していく。瑠璃の方は処女を浩二に捧げる-この言葉のこっ恥ずかしさは異常だ-気満々な訳だが、流石にそこまで浩二は心の準備をしていない。
浩二「奴隷に初めてを捧げる主人なんざ聞いたことないぞ…」
瑠璃「新機軸だね」
浩二「なに考えてんだよお前…」
瑠璃「お兄ちゃんのこと。寝ても覚めてもお兄ちゃんのこと」
これを以って瑠璃の告白と考えても良いかも知れない。これまで示唆するセリフはあったけれど、実際に明言に近い形まで言葉にしたのはなかったような気がする。
浩二としては、瑠璃を抱くのはまんざらでもないわけだが、浩二には涼子がいたりする訳だし、そうそう簡単に「はい、いただきます」とはならないわけで。かてて加えて浩二はちょっと思い切りの悪いところもあるし。
瑠璃「だったら、瑠璃を傷つけずに断ってごらんよ!」
瑠璃「無理やりお兄ちゃんのことさわって、自分で脱いで、さわらせて、一生懸命興奮させようとして…」
瑠璃「騙して、騙して、何度も嘘ついて、なだめて、すかして、心がついてこなくても、問答無用で体が反応するようにして」
瑠璃「そこまでしておいて断られても、全然悔しくもなんともない…」
瑠璃「それどころか愛されてる~なんて幸せな気持ちになれるような、そんな気の利いた逃げ口上言ってみなよ!」
自分と浩二の種明かしを同時にしてみせる瑠璃。ここまで来てしまった瑠璃にこれ以上の策略はない訳で、あとはもう「逃げられるものなら逃げてみろ」と言って正面からぶつかるほかない。健気だ。
浩二「ギンギンになった…瑠璃の誘惑に、完全に引っかかった」
ついに敗れる浩二。止めの一撃になったのは、瑠璃の健気な涙。そうだよなぁ。涙は女の武器とは言うものの、本当に威力があるのは武器のつもりで使ってる涙じゃなくて、自然と溢れてしまう奴なんだよな。
いざとなると、浩二になされるがままの瑠璃。キスをねだる瑠璃を浩二は雛鳥に例える。或いは、カラカラに乾いてしまった鉢植えかもしれない。手入れがされない鉢植えの植物は荒々しく育ってしまうものだから。どちらにせよ、それを生んだのは浩二との五年間の別離だろう。罪な男だぜ。
瑠璃「るりが、ほしい?」
浩二「欲しい」
最後は作戦も何もあったものではなかったけれど、瑠璃は浩二にそれを言わせることに成功した訳で、偉大な成果といっても良いかもしれない。
ついに瑠璃の中に入っていく浩二。瑠璃は傷付けて犯して征服してしまいたいけれど、抱き締めて守ってやりたい存在でもあって、いや、それは愛というのだよ、浩二。
瑠璃「も、もうおにぃちゃんわ、るりからはなれられないょ」
浩二「…そうだな」
瑠璃「っ!?あ、あのっ、あのっ、…ほ、ほんとぉ!?」
浩二「さあ?何が?」
事後、呂律の回らない瑠璃の、あまりに幸せそうで、あまりに締まらない勝利宣言。良いね。
今日はここまで!!
PR
コメントを書く